選手・ファンにとって世界との差を実感できるいい機会になると語るセルジオ越後氏

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悪くない試みだね。Jリーグが今季から設立し、海外の強豪クラブを招待する「Jリーグワールドチャレンジ」の開催が迫ってきた。

今回来日するのはドルトムント(ドイツ)とセビージャ(スペイン)の2チーム。香川が所属するドルトムントは昨季のブンデスリーガ3位。欧州チャンピオンズリーグ(CL)でも準々決勝に進出した。

一方のセビージャはスペインリーグでレアル・マドリード、バルセロナ、アトレチコ・マドリードに次ぐ4位。CLではやはり決勝トーナメントに進出している強豪だ。

Jリーグの中断期間中に、ドルトムントが昨季ルヴァン杯王者の浦和(7月15日)と、セビージャが昨季J1王者の鹿島(7月22日)と対戦する。

当然ながら、テレビでプレーを見るのと、実際にピッチで対戦するのとでは得られるものがまったく違う。やってみないとわからないことがたくさんある。選手にとってはもちろん、ファンにとっても世界との差を実感できるいい機会になるんじゃないかな。

かつて欧州のシーズンオフになると、レアルやバルサ、マンチェスター・ユナイテッドなど超一流クラブがこぞって来日し、Jクラブとプレシーズンマッチを戦っていた時代もあった。2003年にはレアルが有料の公開練習を東京ドームで行ない、4万人以上のお客さんを集めたこともあったよね。

でも、残念ながら、ここ数年そうした超一流クラブはアメリカや中国、シンガポールなどへのツアーのほうがより大きな収益を得られるからと、日本に目を向けなくなっている。

そうした状況があるだけに、今季からの放映権料の大幅アップで増収になったJリーグが、こうした取り組みをするのはいいと思う。

ドルトムントとセビージャは超一流クラブではないし、誰もが知るスーパースターがいるわけでもない。それでも、毎年のようにCL、もしくはヨーロッパリーグに出場する強豪だ。

ドルトムントは2年前にも来日し、そのときは川崎と対戦して6−0で大勝している。僕はテレビ解説をしたんだけど、試合開始からドルトムントが激しいプレスをかけると、川崎はミスを連発し、ハーフラインをほとんど越えられなかったことをよく覚えている。Jリーグ勢にとっては戦いがいのある相手だし、学ぶべきことも多い。

Jリーグには今回限りではなく、来年以降も同レベル以上の相手を呼ぶ努力をしてほしい。また、せっかく強豪クラブに来日してもらうのに、1試合だけで帰らせるのはもったいない。例えば、4チームによるトーナメント戦にして決勝、3位決定戦があれば全チームが2試合戦える。そして、優勝カップや賞金を用意するなど、少しでも相手のモチベーションを高める工夫が欲しい。いわば“クラブ版のキリン杯”というイメージだね。

2年前、ドルトムントに大敗した川崎の選手たちは、あまり悔しそうなそぶりを見せなかった。でも、お客さんからお金をもらう以上、Jリーグ勢は勝利にこだわるべきだし、浦和と鹿島のサポーターもそのつもりで応援してほしい。浦和vsドルトムントはゴールデンタイムに地上波での生中継があるから、浦和がいい試合をすればJリーグのアピールにもなる。昨年、鹿島がクラブW杯でレアルに善戦して盛り上がったけど、今回も両チームの奮闘に期待しているよ。

(構成/渡辺達也)