「一緒にいて得をする」存在と思われることに意味がある

当時のご自身とHIROさんの関係を参考に、若いメンバーを導いていく?
僕は、後輩たちが「AKIRAさんと一緒だと何かと得するな」くらいの感覚でいてくれればいいと思ってます。損得って言葉は悪いかもしれないけど、この仕事で夢をかなえたい、成長したいと思っていて、この人と一緒にいると勉強になる、ワクワクする、プラスだなと思えるならそれでいいと。
自分を存分に“活用”してくれてよいと?
そういう存在であるために、自分を磨いていかなきゃいけない。周りが「AKIRAさんといるとワクワクする」「気合が入ります」って思ってもらえるなら、自分がいまここにいる意味があるのかなと思う。ただ俳優をやりたいだけなら、それに専念すればいい。でも、自分がいままで生かされてきたのは、EXILEがあって、メンバーがいてくれたから。
若い世代から「カリスマ」「先駆者」として、憧れと尊敬の念をもって見られることをどう受け止めていますか?
唯一無二のポジションを作り上げて、ガンガン刺激を与えたいです。HIROさんに思いを馳せるように、若い子たちがいずれ「あのとき、AKIRAさんはどうしてたんだろう?」「え? あの忙しさの中で映画2本とライブを両立してたの!?」とか、思ってもらえるようになれたら。
そういう存在になることにプレッシャーを感じることは?
ないですね。名前を出してもらえるうちが華だし、言われなくなったら終わりですよ。僕がヘナチョコだったら名前を出さないでしょ。まあ、そうやってあちこちに種をまいて、あとはどうやって彼らのバーターで、いろんなところに呼んでもらえるようになるか(笑)。ウソです。意地でもそれはない。常に自分が引っ張ります。
やはり「後輩たちに背中を見せる」という思いが、原動力にもなっている?
みんなが活躍してくれることも僕の武器になる! 「あいつは僕の直属の後輩なんで」って(笑)。自慢したいです(笑)。
若い子たちにジェネレーションギャップを感じることはないんですか。
ありますよ(笑)。ファッションひとつにしても前髪を下ろしながらキャップをかぶるって、俺らの世代の感覚としてないね。New Eraのベースボールキャップは、坊主にするか、ドレッドで編み込みにして深くかぶるもんでしょ? あれを前髪下ろしてかぶるってのには、賛同しかねるね。時代の変化を感じます。EXILEもさわやかになり始めてるんでしょうね…(笑)。それも進化のひとつ!!
この10年で、EXILEがどんどん大きくなっていくことに恐怖はなかったですか?
どこまで行くんだろう? と思うことはありましたね。人間、どんどん上を目指していくものだけど、次々と目標を達成していく中で、どうなるんだ? と。そのひとつの到達点というか、答えがHIROさんの勇退だったと思うんです。
ここまで拡大路線でやってきて、先ほどもおっしゃったように「ひとつの時代が終わった」と。
僕は、EXILEってHIROさんの魂、プライド、カッコつけ方がひとつの形になったものであり、“HIROさんTRIBE”だと思ってました。その人が抜けてしまい、自分たちで新しいEXILEをどう築き上げ、見せていくのか? そこにプレッシャーもありました。自分の中にブレを感じることもあったし…。
ブレですか?
どんどん若い子たちが出てきて、いろんな新しい見せ方、武器を持っていて、自分はどうしたらいいんだ? と芯の部分が揺らぎそうになることは正直、ありましたね。でも、そこで思ったのは、表面的な部分じゃなく、この10年――自分が目撃し、体感してきた歴史というものが、自分にしかないベースとして確実にある。そこにしっかりと足をつけて自分を見せていけばいいんだと。

40代、50代を見据え…「ようやくスタートに立てた」

先ほど「EXILEは個々のクリエイターの集まり」というお話がありましたが、AKIRAというひとりのアーティスト、クリエイターとして、今後のビジョンをどのように思い描いていますか?
やはり、僕の“個”としての活動というと、俳優ということになると思います。いまでこそ若い子たちも個人で好きな活動をしてるけど、EXILEがもっとも忙しかったこの10年で、僕はグループのスケジュールの隙間を縫って俳優業を積み重ねてきました。
ホラー映画にハリウッド作品、大河ドラマにエンタメ大作まで、作品のジャンルも役柄も多岐にわたりますね。
スケジュール的に、年に1〜3本がいいところというペースで、ありがたいことに本当にいろんな作品、役柄に巡り合うことができました。そういう意味で、自分にとっては完璧と言える10年をいただき、ここまでやってきたことを基盤に、ようやくスタートに立てたのかなと。
いま、スタートラインに立った?
ここから40代、50代を見据えたとき、いい意味で常にフレッシュな気持ちで作品に臨める役者でいたいなと。映画でも、ドラマでも、小劇場の演劇だろうが、ハリウッド大作だろうが、ありがたいお話をいただければ、役に向き合うだけ。俳優の仕事って、本当にほふく前進だなと思うんです。
少しずつ、少しずつ前に進んで行くしかない?
常にバッターボックスに立って、侍の魂のように、日々自分を磨いて、ひとつひとつの点をつないでいくしかない。そうやって、オリジナルの“AKIRA”としての立ち位置を築いていきたいですね。
なるほど。
俳優だけを専業でやられている方の中には、年に5本、10本と参加される方もいますが、いまの自分にはそれができない。その中でどうやって表現力を身につけていけばいいか? スキルはもちろん大事だけど、人間として年輪を太く、濃くしていくことで表現の幅を広げていきたい。
自分自身の生き方、スタイルが役に反映される?
HIROさんを役者として起用したいプロデューサーの方ってたくさんいます。僕も現場で「HIROさんって役者やんないの?」って何度も聞かれたことがありますよ(笑)。たとえばHIROさんが織田信長を演じたら、イメージできるでしょ? 本人は絶対にやらないでしょうが(笑)。そんなふうに必要とされる人間になりたいですね。
今年で36歳。肉体を駆使するアーティストとして、アスリートと同様にいずれやってくる身体的な限界、衰えと向き合う日が来るかと思います。
それがあるからいま、EXILE THE SECONDに参加しているというのもありますね。いま、EXILEは「個を磨く期間」に入っている中で、自分がパフォーマンスを披露できる場所というのをきちんと持っていたかったんです。肉体的には、いまが自分にとって一番の旬の時期であり、身体にもっともキレがあると思います。
いま、きちんとパフォーマンスを届けたい?
最高のパフォーマンスを焼き付けたいと思っています。引退ということに関しては、自分の中で絶頂の状態で退きたいという気持ちをずっと持ってきたし、その気持ちはいまもあります。ただ、EXILEの形自体も少しずつ変わってきているし、表現の形も広がっているのを感じます。
といいますと?
一番、キレキレの状態を焼き付けて退きたいという気持ちの一方で、もしかしたらEXILEって60歳、70歳になっても表現の形を変えて、人々を魅了し、成立することができる集団になりうるんじゃないかって。正直、そこは自分の中でもまだわかんないですね。
少なくとも、身体的にもっともキレのある状態のAKIRAさんのパフォーマンスを見たいなら、“いま”がすごく重要だと…?
この2、3年が、自分にとってのハチキレ時だろうと感じてます。EXILEにとって個を磨く時期だからこそ、未来を見据えて…という以前に“いま”を届けたいと思い、1日1日、無駄のないように過ごしています!
AKIRA(あきら)
1981年8月23日生まれ。静岡県出身。A型。2006年、EXILEにパフォーマーとして加入。EXILE TRIBEの中でも、いち早く俳優業に進出し、NHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』、主演作品『GTO』シリーズ、『ハニートラップ』(ともにフジテレビ系)などや、『HiGH&LOW』シリーズなどに出演。映画でも園 子温監督作『ちゃんと伝える』への主演をはじめ、アジア進出作品『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』、ハリウッド進出作品のマーティン・スコセッシ監督作『沈黙 -サイレンス-』、錦織良成監督作『たたら侍』などに出演。2016年からはEXILE THE SECONDにも加入している。

書籍情報

『THE MAN OF EXILE AKIRA 2006-2016』
発売中!
価格:4,800円+税
http://m.ex-m.jp/Cts/book/2017/akira10th/index

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、AKIRAさんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2017年7月6日(木)12:00〜7月12日(水)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/7月13日(木)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し) のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから7月13日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき7月16日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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