飯山市は長野県の最北端にあり、日本海に近く、人口は約2万1500万人。雪がたくさん降り、寺社が多いことから、この信州エリアの小都市は「雪国の小京都」の称号を与えられている。

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長野県飯山市の足立正則市長の執務室では、窓から外を眺めると遠くに北信州の連綿と続く山並みが目に映り、山間の盆地をうねうねと流れる清らかな千曲川も見ることができる。川沿いの小山には飯山城址があり、山裾には「城下町」(領主が居住するお城を中心に造られた都市)として発展した飯山市の古い市街地が広がる。国際商報が伝えた。

飯山市は長野県の最北端にあり、日本海に近く、人口は約2万1500万人。雪がたくさん降り、寺社が多いことから、この信州エリアの小都市は「雪国の小京都」の称号を与えられている。

日本のほかの都市と同様、飯山市も長年にわたり人口の持続的減少や日に日に深刻になる高齢化とこれにともなう経済の不振、伝統文化の継承の難しさといった問題に直面している。2006年に日本が「観光立国推進基本法」を可決すると、観光産業の発展が飯山市のような小都市が振興をはかるための主な手段になった。

06年以後、日本の観光産業は11年に東日本大震災という巨大な打撃を受けながら、急速な伸びを示し、日本を訪れる外国人観光客の数がたびたび記録を更新している。日本政府観光局(JNTO)が今年1月に発表したデータによると、16年の訪日外国人観光客は前年比21.8%増加し、初めて2千万人の大台を突破して、のべ2403万9千人に達した。これと同時に日本の国土交通省観光庁のデータも、16年の訪日外国人観光客の総消費額が過去最高を更新したことを伝えた。

全国で観光産業が急速成長するのを大きな背景として、北陸新幹線の飯山駅が設置された。現地の人々にとってこれが「願ってもない幸い」であることは間違いない。「飯山市総合戦略」(2015〜2019年)によると、15年の新幹線駅設置後の1カ月間、飯山駅を利用した観光客は1日あたり平均約500人に上り、今後5年で1300人に増えることが予想される。14年に同市を訪れた外国人観光客はのべ約119万人でこれも今後5年で年平均のべ160万人に増加することが予想される。

同時に、日本観光市場にも徐々に変化が生じるとみられる。観光ニーズがますます多様化し、個性化して、トレーニング、休養、探検、景観を楽しむ、各地の風土を楽しむ、伝統工芸の制作に挑戦する、現地の人々と交流するなどが、新たな観光のホットスポットになりつつある。

だが行政が主導する日本の地方観光振興体制ではこうした新しい変化に対応することは難しい。国土交通省観光庁の原田修吾参事官は東京で取材に答えた際、「現行の行政が主導する観光振興体制の下では、地方に観光協会はあるものの、旅館や外食産業など少数の主体が参加するだけで、文化、スポーツ、農林漁業、現地の人々といった大勢の利害関係者は観光産業振興の主体になり得ていない。また観光情報の収集と分析も不十分で、地方の観光協会はコスト意識が薄く、考え方が古く、やり方も旧態依然としていて、こうしたことが観光サービス能力の深刻な不足という事態をもたらしている」と述べた。

こうした発展のボトルネックに対し、日本政府は「日本版DMO」(日本版の国内外観光地域づくり体制)を推進することで、観光産業に横たわる問題を取り除き、観光産業と観光経済が新たなステップを踏み出すよう後押ししようとしている。DMOとはデスティネーション・マネージメント・オーガニゼーションの略で、欧米の観光産業で流行する運営モデルだ。日本版DMOモデルの核心的理念は「観光地の経営」にあり、政府、文化、スポーツ、農林漁業、工商業、観光事業、現地の人々など利害関係のあるさまざまなクラスターの関係を調整し、全局的な視野で地域間や地域内の協力を主導することを任務とする。

新幹線飯山駅が設置される4年前、飯山市議の提案で同市と周辺8市町村の行政のトップが話し合い、広域観光エリアを共同で設定した。その後、9市町村の63団体が集まって広域観光協力推進組織を発足させ、これを「信越自然郷」と名付けた。信越自然郷はまさしく日本版DMOだ。DMOの組織には法人格があり、地域の観光をめぐる計画、経営、管理を担当する。今年3月末現在、全国で設立されたか設立準備中のDMO組織は134を数える。