いよいよ今週末より、各局の夏ドラマが本格的にスタートする。7月8日には錦戸亮(関ジャニ∞)と松岡茉優が夫婦役を務める『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ)が、7月9日には長瀬智也(TOKIO)と吉岡里帆らが複雑な関係性のラブストーリーに挑む『ごめん、愛してる』(TBS)が、それぞれ放送される。どちらもジャニーズ屈指の実力派俳優が主演を務めるとあって、今期ドラマの中でも特に注目を集めている作品だ。

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 ほかにも、東山紀之が主演を務める『刑事7人』(テレビ朝日)や、山下智久が主演を務める『コード・ブルー〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON』(フジテレビ)、そして森田剛(V6)が瑛太の相棒役を務める『ハロー張りネズミ』など、見逃せない作品が目白押しだ。今期のジャニーズドラマの注目ポイントを、各メンバーのキャリアとともに読み解きたい。

■錦戸亮『ウチの夫は仕事ができない』

 まずは錦戸亮主演の『ウチの夫は仕事ができない』。錦戸亮は、2003年のNHK連続テレビ小説『てるてる家族』で石原さとみ演じる主人公・岩田冬子の相手役である桑原和人を演じ、関ジャニ∞のメンバーの中ではいち早く俳優として頭角を現した。その後、2008年にはドラマ『ラスト・フレンズ』(フジテレビ)にて、ジャニーズ俳優としては異例となるDV男を演じ、実力派と目されるようになった。

 一方、2012年の『パパドル!』(TBS)では初のゴールデンドラマ主演を務め、本来の朗らかな性格を活かした演技が好感を持って受け入れられ、コメディ俳優としての評価も確かなものにする。今作『ウチの夫は仕事ができない』は、『パパドル!』の路線に連なる作品となりそうだ。いまをときめくコメディエンヌ・松岡茉優との掛け合いも楽しみにしたい。

■長瀬智也『ごめん、愛してる』

 『池袋ウエストゲートパーク』(TBS)や『タイガー&ドラゴン』(TBS)などの宮藤官九郎脚本作品で、00年代を代表するドラマスターとして知られる長瀬智也は近年、『フラジャイル』(フジテレビ)の天才病理医・岸京一郎役や、赤鬼メイクで挑んだ映画『TOO YOUNG TO DIE』のキラーK役など、かなり変わった役を演じることが多かった。

 一転して今回の『ごめん、愛してる』では、幼い頃に母に捨てられたため、“愛”を知らない孤独な男・岡崎律を演じる。久しぶりのシリアスな役柄とあって、いまの長瀬がどんな表情を見せるのかに注目したいところだ。また、相手役が前々クールの『カルテット』(TBS)で狂気走った悪女・来杉有朱を演じ、一躍実力派女優としての評価を確かにした吉岡里帆というのも興味深いところ。さらに、若手俳優の筆頭株である坂口健太郎も出演するとあって、ハイレベルな演技のアンサンブルが期待できそうだ。

■東山紀之『刑事7人』

 もはや刑事ドラマの新定番となりつつある『刑事7人』シリーズだが、ただの続編だとは思わない方が良いかもしれない。というのも、同シリーズはシーズン1とシーズン2で、大胆に路線を変更しているからだ。特に、東山紀之演じる主人公・天樹悠は、おしゃべりな人情派刑事から、冷徹に事件解決まで導くシリアスな刑事にガラリとキャラ変し、視聴者を驚かせた。この背景には、東山自身の「より精度の高い成熟した大人の作品にしなければ」との思いがあったという。自ら演じる役柄の背景まで徹底的にこだわる東山紀之の、職人的な気質が存分に発揮された作品であるため、今シーズンではさらに磨き上げられた演技を見ることができそうだ。

■山下智久『コード・ブルー〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON』

 山下智久主演の超人気ドラマ『コード・ブルー』シリーズの新作が、視聴率的に苦戦しているフジテレビ月9枠に登場するとあって、一見すると安パイを置きに行ったように思えるが、座組みを見ると少し違った模様が見えてくる。というのも、脚本家が林宏司から安達奈緒子へとバトンタッチしているのだ。

 安達奈緒子は、同じく月9ドラマである『大切なことはすべて君が教えてくれた』や『リッチマン、プアウーマン』で一躍脚光を浴びた脚本家で、最近では櫻井翔主演のお正月スペシャルドラマ『君に捧げるエンブレム』(フジテレビ)を手掛けている。大人たちの葛藤と希望を、巧みなストーリーテリングで描くことに秀でた安達は、成長した主人公・藍沢耕作らの人間模様をどう描くのか。その手腕によって、今後の月9枠の未来が問われそうだ。

■森田剛『ハロー張りネズミ』

 弘兼憲史の同名漫画を原作とした探偵ドラマ『ハロー張りネズミ』で、瑛太演じる主人公・七瀬五郎の相棒・小暮久作を演じるのは、近年バイプレイヤーとしても評価を高めている森田剛。2015年の出演作『リスクの神様』(フジテレビ)では、 危機対策室渉外担当の結城実役として、堤真一らベテラン俳優たちに負けず劣らずの硬派な演技を見せた。その寡黙な佇まいと演技の説得力には圧倒されたものだ。さらに、翌年に主演を務めた『ヒメアノ〜ル』では、猟奇殺人鬼の森田正一役を怪演。R15指定の作品にも関わらずヒットした同作は、映画界からも高く評価され、森田剛の実力を改めて世に知らしめた。

 さらに本作は、『モテキ』や『バクマン。』、『SCOOP!』などの映画作品で知られる大根仁監督が手がけるとあって、その演出にも注目が集まる。暗い過去を背負っているものの、普段はバカでスケベな小暮久作というキャラクターを、どう方向付けるのか。森田剛の新たな一面を引き出してくれることを期待したい。(松下博夫)