バッジョ(左)のユーベ移籍でフィオレンティーナ・ファンは激怒して暴動に発展。ベルナルデスキ(右)も同じ道を辿れば…。写真:Alberto LINGRIA,Getty Images

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 ユベントスとフィオレンティーナの間で、新たな騒動が生まれるかもしれない。現地時間7月4日、ヴィオラの10番を背負うフェデリコ・ベルナルデスキが、イタリア王者への移籍に迫っていると『スカイ・スポーツ』や『ガッゼッタ・デッロ・スポルト』紙などが一斉に報じている。
 
 類稀な攻撃センスに一定以上の献身性を備え、ここ3年で台頭した23歳のMFに対しては今夏、チェルシー、バイエルン、インテル、そしてユベントスなどが獲得に興味を示した。フィオレンティーナは慰留を望み、年俸増の契約延長オファーをしていたが、代理人から退団の意思を聞かされたという。フィオレンティーナのパンタレオ・コルビーノGMは、ガッゼッタ・デッロ・スポルト紙の取材にこうコメントしている。
 
「ベルナルデスキにはとても大きなオファーを出したが、残留を望んでいない。彼の意思を尊重したよ。イタリアの財産であるベルナルデスキの新たなステージが始まる。状況がどうなるか様子を見よう」
 
 スカイ・スポーツによると、ベルナルデスキの獲得にもっとも迫っているのは、ユーベだという。すでに年俸400万ユーロ(約4億8000万円)の5年契約で本人とは合意し、フィオレンティーナとの話し合いも進んでいる模様。移籍金は4000万ユーロ(約48億円)がベースで、プラス分をボーナス1000万ユーロ(約12億円)にするか人的補填(候補はステーファノ・ストゥラーロやトマス・リンコン)にするかなど、すでに交渉は詰めの段階のようだ。
 
 このまま移籍が決まるとなると懸念されるのが、フィオレンティーナ・ファンの反応。そもそもユーベに敵対心を燃やす彼らは、1990年夏に当時のアイドルだったロベルト・バッジョを引き抜かれた際に、イタリア中を揺るがす大騒ぎを起こしたからだ。当時のオーナーが襲撃されたうえ、市内で暴動が起こり、多数の負傷者や逮捕者を出している。
 
 以降、フィオレンティーナはユーベへの選手放出をできるだけ避けてきた。たしかに、2010年にMFフェリペ・メロ(現パルメイラス)、2015年にGKネトが移籍した際には、そこまで大きな反応はなかった。
 
 しかし、9歳から下部組織で育った生え抜きで、それこそバッジョも纏ったナンバー10を背負うベルナルデスキが宿敵に売却されたとなれば、ティフォージ(熱狂的ファン)が黙っている保証はない。オーナーのデッラ・ヴァッレ家が身売りを発表するなどクラブの未来が不透明なだけに、サポーターの鬱憤はとくに溜まっている。27年前のような大暴動もありえるだろう。
 
 何事もなければいいが……。