ギ酸で走る電気バスが実走テストへ。水素取出し、牽引式レンジエクステンダー「REX」で25kWを発生

オランダ・アイントホーフェン工科大学の学生研究グループ「Team FAST」が、ギ酸を使って走るバスを開発しました。バスの後方にはギ酸を搭載し、レンジエクステンダーとして機能する牽引車「REX」を連結します。

自動車用の持続可能なエネルギーシステムを考えたとき、人によっては排泄物を燃料にしたバスを思い出すかもしれません。それはそれで、ある意味なんでもエネルギー源にできる未来的な世界の1つの実現例ではあります。しかし、オランダの学生は排泄物ではなくギ酸を使って走行可能なバスを作り出し、エコロジーな大型自動車の開発合戦に名乗りを上げています。

Team FASTが開発したのは、ギ酸99%に1%の添加剤を混ぜたHydrozine(ハイドロジン)と称する混合物から、25kWの電力を生みだすレンジエクステンダー。略して「REX」と名付けられたこのシステムは小型の牽引車に内蔵してあり、後方から電気バスに必要なエネルギーを供給します。

ギ酸は、特定種のアリが自然と作り出すカルボン酸成分であり、産業レベルでも安定供給される薬品のひとつです。Hydrozineは通常のバッテリーに比べて4倍のエネルギー密度があり、REX内で水素とCO2に分解、水素はバスの電力供給用に使い、CO2は工場に回収してふたたびHydrozineへとリサイクルします。

通常の水素燃料電池車では水素タンクが必要となり、その補給も一般にはやや扱いが難しくなることが考えられます。一方、ギ酸を主体とするHydrozineは液体であり、軽油やガソリンと同様の取扱いができるというのは運搬供給する側にも、利用する側にも大きな利点となりそうです。ただ、ギ酸はかなり強い酸であるため、飛散などには注意が必要です。

Team FASTはこれから最終的なテスト走行を実施し、年末までにはこのシステムが社会的に問題なく利用可能であることを確認したいとしています。