テニス4大大会の1つ、ウィンブルドン選手権が3日(月)に開幕したが、主催者はあることを心配している。度重なる英国でのテロや、大会日程を左右しかねない英国の気まぐれな天気ではない(もちろんそれらも心配だろうが)。コービン労働党党首支持者が盛り上がり、センターコートでサッカー並みのチャントが湧き上がることだ。

テニスで大騒ぎはご法度

テニスは紳士のスポーツと言われ、手に汗握るスポーツなのに、観客が声も立てずに観戦している様子はよく知られている。世界レベルの大会でしかも自国のスター選手が優勝候補となれば、サッカーや野球なら大騒ぎになるだろう。しかしテニスはひとたびボールが動き出すと、会場は水を打ったかのように静まり返る。もし観客がエキサイトしてしまいいつまでも声を出していると、審判に「Quiet, please(静粛に)」と、極めて冷静にしかし厳しい口調で叱られてしまう。ボールが動いている間は静かにしているのが、テニス観戦のルールだからだ。

このように観客側にも厳しいマナーが求められるのがテニスの大会なのだが、総選挙を6月に終え国内政治が不安定な中での開催で、ウィンブルドン選手権の主催者は今、頭を痛めている。労働党のジェレミー・コービン党首の熱狂的な支持者が会場で盛り上がり、センターコートでコービン党首の名前を叫ぶチャントが沸き上がる可能性が高いのだ。

テレグラフによると、ウィンブルドンの会場入り口には「政治スローガン禁止!」という警告が張り出された。政治的な主張が書かれた物や洋服の持ち込みも禁止だ。
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「ナイフ持ち込み禁止」などの他に、「政治スローガン禁止」も

若者が集まるところにコービン・チャントあり

ウィンブルドンの主催者が今、コービン・チャントを心配するのも無理はない。ガーディアンによると、コービン氏の名前を叫ぶこのチャントはそもそも、5月にリバプールのウィラルで行われた音楽フェスティバルで始まった。ザ・ホワイト・ストライプスというバンドの『セブン・ネイション・アーミー』という曲に乗せ、「お〜ジェレミー・コービン!」と叫ぶものだ。若い世代を中心に支持者を増やしているコービン党首らしく、サッカーの試合や音楽フェスティバルなど若者が集まるところで、このチャントがたびたび沸き上がる。


ウィンブルドンが始まる直前の6月21日〜25日、英国最大規模の音楽フェスティバル「グラストンベリー・フェスティバル」では、23日にメインステージでレディオヘッドが演奏中に、コービン・チャントが沸き上がった。このチャントはフェスティバルの間、至るところで起こったという(イブニング・スタンダード)。なお、ガーディアンとイブニング・スタンダードのリンク先では動画が見られるので、どんなチャントか興味がある人はご覧いただきたい。

松丸さとみ