@AUTOCAR

写真拡大 (全7枚)

7世代目 なにが進化?

クルマの世界において、特に流行や感応的な印象といったものに左右されず、ただひたすら性能を向上させていく構成要素がスタッドレスタイヤだろう。開発陣は、ライバルの動向を横目で伺いつつ、氷上における制動距離が数パーセント縮まったことに胸を張る。単独で走り、記録を競う様子はラリー競技のそれにも似ているのである。


1997年に誕生したグッドイヤーのスタッドレスタイヤ、アイスナビが4年ぶりに刷新された。アイスナビ・セブン(ICE NAVI 7)はその名の通り同社として7代目のスタッドレスとなる。通常スタッドレスタイヤの試乗は年明けから雪と氷が残る季節に行われ、その後夏を越すまで緘口令が敷かれることが多いのだが、今回はスケートリンクの上で先代たるアイスナビ・シックスと比較試乗し、すぐに発表できるので記憶も新鮮だ。


トレッドパターンを見ると、大きく3本の縦溝が入っていたシックスに比べ、セブンは4本。これによってウェット性能が向上しているという。空気を入れていない状態のセブンを観察してみると、両ショルダー部がしっかりと形状を保持しているのに対し、トレッドの中央部分は僅かに凹み、柔らかな面を作り出している。これによりトレッドの接地形状や摩耗エネルギー分布が均一になり、雪上性能と氷上性能が共にアップしているという。またコンパウンドに関しても低温で硬くなりにくいシリカをより細かな粒子にしているため氷や雪との密着性も高まっているという。
 

スケート場の走らせ方(?) 実は比較テストに最適

少しも水の浮いていないスケートリンクの硬い氷は実際の冬の路面とは状況が異なるが、しかし新旧のタイヤを比較する際の精度は高い。初めに試乗したのはシックスを履いた前輪駆動のトヨタCH-Rだった。


コースは時速8km/hでスラロームを行い、最後に15km/hまでスピードアップしてフルブレーキングを行う。コーナーの頂点ではフワフワとしたアンダーステアを感じつつ、でも実用上は問題のないレベルである。すぐにセブンを履いたCH-Rに乗り換えると、発進加速の段階で違いを感知することができた。ホイールスピンが少なく、スピードの乗りがいい。8km/hを僅かに越えつつスラロームに入っても、転舵初期からはっきりとグリップを感じることができ、コーナーの頂点で自信を持って切り増すことができる。


フル制動ではすでに路面が磨かれていたこともあって、メーカーが謳う7%差を体感することはできなかった。けれど待機場所まで移動して停止する際に全くABSが介入しないことに驚かされた。
 

新旧アイスナビ もう一度試すと……

他のドライバーが停止する様子を観察していても、シックスでは2度3度とABSが介入しているのがわかるのだが、セブンではピタッと一発で停止している。性能向上は明らかである。


最後にもう一度シックスで走ってみると、スピード感覚が狂っていて、見事に大アンダーステアを露呈してしまったのだった。


グッドイヤーの冬、といえばオールシーズンのベクター4シーズンズ・ハイブリッドがつとに有名で、実際にこのタイヤが日本における同社の販売実績を大きく底上げしている。だが日本開発、日本製造で7代目へと進化したスタッドレスタイヤにも大いに着目すべきである。