不調だったプリンスリーグ関東7節・川崎U-18戦。関川は「自分のせいで負けたと思う」と試合後に話した。写真:平野貴也

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[高円宮プリンスリーグ関東7節]流経大柏高 1-2 川崎U-18/7月2日(日)/流経大柏高グラウンド
 
 当事者の関川郁万、流経大柏高監督の本田裕一郎氏、U-17日本代表監督の森山佳郎氏。試合後、三者が三様に4-2-3-1の左CBに入った関川のパフォーマンスが低調だったと証言した。
 
「全然ダメでした。ヘディングがまったくで、自分の持ち味を出せなかった」(関川)

「今日はダメだったね。(エアバトルで)タイミングが合っていなかった」(本田監督)

「ちょっと今日の試合では、撥ね返す部分で案外勝てていなかった」(森山監督)
 
 高い身体能力は披露した。ジャンプ力は相手より頭ひとつ抜け、スピードで後手を踏まず、当たり負けもしない。要所でも対応はほぼ冷静だった。正確なフィードで大きく試合を動かすこともあった。
 
 それでも、真夏を思わせるような蒸した炎天下で行なわれたプリンスリーグ関東7節・川崎U-18戦は、彼の試合ではなかった。ただ、本田監督も森山監督も能力の高さを認めるがゆえの厳しい評価なのだろう。
 
「セットプレーでは相手に脅威を与える存在ではあった。相手の細かい変化に対応して集中力を切らさずに守り切るという部分では物足りなさもあったが、高いポテンシャルを感じられる選手なので、これから成長していってほしい」とは森山監督の言葉だ。
 
 確かに後半に数多かったCKでの破壊力には目を見張った。ボールが飛んでくるポジションを掴み、飛び、ヘディングをする。文字にするとこれだけの動作なのだが、事もなげにこなす様は頼もしく映った。
 
 そのことをお世辞など混ぜず、正直に伝える。しかし、本人は納得しない。
 
「勝敗が掛かっているんで、決めないと意味がないです。今日は1点差で負けましたけど、自分が1ゴールを奪っていれば引き分けですし、2ゴール取れていれば勝てていた。まだまだです。
 
 先週の三菱養和戦(プリンスリーグ関東6節)では、(中村)敬斗とか栗原イブラヒムジュニアとバチバチに戦えた。でも今日の(宮代)大聖にはそんなに……。自分が低調だったから川崎U-18に負けたんだと思っています」
 
 自身のプレーが勝負を決める――。昨年からスタメンを張る男から、そんな自負が滲み出ていた。
 森山監督が視察に訪れていたこともあって、「アピールの場だったが?」と代表の話を向けてみる。「インターハイ予選も見に来てくれて、その時はまあまあアピールできましたよ」と少しだけ表情が崩れた。
 
 実際、7月4日に発表された第21回国際ユースサッカーin新潟のU-17日本代表のメンバーに、関川も選ばれている(7月15日〜17日にU-17クロアチア代表やU-17メキシコ代表と対戦予定)
 
 昨年のU-16アジア選手権ではメンバーに選出されたものの、怪我のために離脱を余儀なくされている(最終的な代役は当時C大阪U-15だった松本凪生)。だからこそ、“リベンジ”として、10月にインドで開催されるU-17ワールドカップへの想いは強いのではないだろうか。
 
「対アジアでしたから、対人に強くて高さもあるという理由で呼ばれたんだと思っています。次の相手は世界。個人能力はもちろん、周囲との連動性もより必要になりますし、頭をフル回転させながら戦うことが大切です。でも、自分はあんまり勉強ができなくて(笑)」
 
 適切なプレー選択、そして刻々と変化する状況を整理することに今は重きを置いて日々のトレーニングや試合に臨んでいるという。それが世界への扉を開くと信じている。
 
「代表選手に選ばれて、U-17ワールドカップの雰囲気を肌で感じるだけでも価値観とかが変わると思うんです。そういった国際経験はとても大事ですからね。もちろんピッチに立ちたい想いもあります。もし招集されたら、それで満足せずに、試合に絡めるように頑張るだけです」
 
 最後に「少し上の世代で言うと、鹿島の植田直通選手にプレースタイルが似ている気がする」との前置きをして、目指す選手像を訊ねてみた。
 
「顔も植田選手に似ているって言われてますよ(笑)。個人的に好きな選手ですし、プレーもすごい。ただ、日本人選手で現在の理想像はFC東京の森重真人選手ですね。上手くて、強くて、高い。たまたまですけど同じスパイクを履いてますし、一種の憧れみたいな感じです。
 
 自分は求められるものがたくさんありますが、まだまだできないことのほうが多い。なので、もっとトレーニングを積んで、総合力の高いCBになれたらなと思います」
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)