txt:岩沢卓(バッタネイション) 構成:編集部

イベントの企画提案と運営を中心に、スタジオ運営や機材レンタルまで手がける株式会社ブリックスの福田周作氏にイベント業務現場での機材選びのポイントなどを伺った。

オールインワン、コンパクトなものを探したい

株式会社ブリックス 企画制作部テクニカル・ディレクター 福田周作氏

福田氏:海外で開催されるイベント、パーティーの業務を手がける際に、以前は現地のレンタルハウスなどに問い合わせて機材手配を行っていたのですが、イベント業務用の機材を手配するとなると大がかりになってしまうことが多く、お客様の希望するスケールと合わないこともありました。

コンパクトスイッチャーはいろいろと試していますが、音声まで扱えるオールインワンのものがなかったので、ローランドからV-1HDとV-1SDIが出てきた時には「これなら海外にも気軽に持っていける!」と、すぐに導入を決めました。イベント演出・会場選びからお手伝いすることが多く、普段はイベント用に貸し出していないスペースを使ったりもするので、機材の搬入の容易さや、省スペースでオペレートできることも大事になっています。また出発する前に、使用する機材で事前検証できることも業務用途では重要ですね。すでにドイツや台湾などの現場でも実際に使用しています。

お客様に預けることも可能な、シンプルで安心できるもの

福田氏:コンパクトでシンプルな機材になったことで、お客様自身に操作してもらうようになりました。そういった場合にパネルロック機能やユーザーメモリー機能などがあると、お客様に預けている場合にも心配事が少なくなって良いですね。

スタッフの習熟度アップが早いものを選ぶ

福田氏:マルチフォーマットスイッチャー導入前は、コンバーターの組み合わせを考えるだけでも苦労が必要で、経験の少ない若手が使えるようになるまでに時間もかかっていました。扱えるフォーマットの多さだけでなく、操作方法が一目でわかることもポイントですね。V-800HDやV-1600HDなど、パネルレイアウトのわかりやすさも選択する際には重要視しています。共通した機材だと、スタッフ同士で教え合うことで全体的に習熟度をあげることが可能になりました。

デジタルになったことで劣化の心配をしなくて良い

福田氏:屋外イベント用にLED Wallを使う場面も増えてきています。ビデオスイッチャーがデジタル化したことで、複数台のスイッチャーが必要な場面でも画質の劣化を気にせずに使用できます。スポーツイベントなどで使用した際には、V-800HDをメインスイッチャーとして入出力をフルに使いつつ、V-1SDIでサブモニター用に表示するテロップなどを切り替えて使用するなど、細かなところでも活用しています。

“お客様のやりたいことを実現する”ために必要なものを選ぶ

福田氏:「イベントに必要か」「イベントの質が上がるか」という視点をもって、お客様がやりたいことを実現できるのであれば積極的に採用していくようにしています。

今後の展開について

福田氏:自社でLED Display Wallのシステムを持っているので、映像を使ったイベント演出のおもしろい使い方、本来的な映像演出とは何なのか、といった部分の追求をもっともっと行っていきたいと考えています。といっても弊社の強みは、技術的に先行し続けるトレンドを追い続けるというよりも、演出としての新規性とオーソドックスなものの良さを組み合わせて、新しい企画を提案し続けることができればと思っています。