朝鮮半島巡る地政学リスクと金利政策の両方見つめる7月5日のドル円為替

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 米国の独立記念日に合わせて、北朝鮮はICBM(大陸間弾道ミサイル)の試射を敢行してきた。ミサイル発射直後はリスク回避から7月4日10:00(すべて日本時間)ごろに1ドル113円13銭までドルは売られることになったが、北朝鮮の動向にも慣れてきたこともあるからなのかドルを買い戻す動きが強まり、1ドル113円台を維持し続けた。

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 当初の米国の反応は、中距離ミサイルであり、米国本土には届かないと楽観視していたが、今朝になってティラーソン国務長官が正式にICBMであることを認めた。これで少なくともアラスカは射程圏内となる。これまで、ICBMの試射についてはレッドラインとされてきただけに、有事の事態への警戒感が強まっている。5日7:00には1ドル113円36銭をつけていたが、地政学リスクの高まりからリスクオフとなり、9:00には1ドル112円90銭までドルは下押しの状態だ。

 トランプ大統領は「中国が何とかしてくれる」という希望的観測を発表しているが、肝心の中国はロシアと手を結んで中立的な打開策を探っている。北朝鮮にICBMの開発実験を中止させるためにも、米国には米韓の合同軍事演習を中止させるというものである。さらに米国が配備したTHAADシステムについても撤去を要求する構えである。しかし強気なトランプ大統領がこの提案を承諾するのは難しいだろうし、中国やロシアの思惑どおりに米国が多国間協議に参加するのかも不透明だ。米国が我慢できずに武力衝突となると、市場もまた大混乱となるだろう。ここにきて朝鮮半島を巡る問題が最大の関心事となってきている。

 本日は23:00に5月製造業新規受注が発表され、日付の変わった6日3:00にはFOMCの議事要旨(6月13日・14日分)が公表される。金利政策に対する注目度は変わらないが、地政学リスクの管理も重大事項となった。バランスシート縮小のスタート時期が明確となり、追加利上げ観測が増し、朝鮮半島問題が平和的な解決に向かうというポジティブな展開に期待したい。