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■どんなクルマ?

まったく売れなかった先代ハイブリッドからの脱却

5シリーズ初のハイブリッドモデルは、先代のアクティブハイブリッド5。今回試乗するのは、初のPHVだ。

これまで、英国での5シリーズの年間販売台数は1万5000台ほどだが、ハイブリッドはその1%にも満たなかった。高価だったのだ。

306psの6気筒を積み、CO2排出量は149g/km。より多くの販売台数が見込める、アメリカの需要に合わせたスペックだったというのも理由だろう。

ミュンヘンは、そんな現状を変えたいと望んだ。それも劇的に。

そこで、184psの2.0ℓ直4ツインパワーターボに114psの電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド、そう、この530e iPerformanceを用意したのだ。

530eの価格は£44,765(655万円)。530d SEより£770(11万円)、520dエフィシエント・ダイナミクスより£7,405(108万円)、それぞれ高い。

CO2排出量は46g/kmで、英国でのカンパニーカーに対する税率はこれらディーゼルより低くなる。このクルマの競争力は、アクティブハイブリッド5よりはるかに高いものになるだろう。

BMWでは、年間5000台ほどを英国で売り捌けると目論んでいるようだ。

■どんな感じ?

ほとんど無音の世界

満充電状態なら、モーターだけで走り出すことができる。ただし、スロットルペダルを強く踏み込めば、エンジンのアシストを得ることも可能だ。

9.2kWhのリチウムイオンバッテリーによるEV走行の現実的な航続距離は35kmほど。原動機の音はほぼキャビンに侵入せず、聞こえるのはタイヤが発するノイズのみだ。

しかも、エンジンがかかっても静粛性は保たれる。ただし、回転が上がれば、内燃機関ならではの心地よいサウンドが耳に届く。

パワーソースの移行時にも予想されるような振動などはなく、ハイブリッド車に乗っていることを忘れるほど穏やかだ。

「オートeドライブ」モードを選択すれば、ドライバーの操作やナビゲーションシステム経由の地形情報に応じて、2種類の動力を最適な状態で選択。

燃料消費を抑える一方で、望めば6.2秒の0-100km/h加速も実現できる。

乗り心地/ハンドリング/実数値は?

原動機を2基積むことによる旨みは、柔軟で洗練された乗り心地と、穏やかな敏捷性を提供してくれる、しなやかで完成度の高いシャシーによってより完璧なものに近づく。

ステアリングはおかしなほど軽いが、狙ったラインを正確にトレースできる。

またハイブリッドの常として、エネルギー消費表示を見ながらのエコランも楽しめるが、加えてEV走行でどこまでいけるかのチャレンジもでき、ドライブ中のいい気晴らしになるだろう。

「マックスeドライブ」モードを選択すれば、電力のみで140km/hまで出る。ただし、その場合の航続距離が、47km/hという公称値に届かないのは確実だ。

「バッテリーコントロール」モードに切り替えると、30〜100%の設定した値まで再充電を行い、蓄電量が設定値に達すると、その電力をまた駆動用エネルギーとして利用する。

家庭用コンセントでの充電では、フルチャージまで5時間かかるが、£570(8万3千円)の専用充電器を設置すれば、所要時間は半分で済む。

■「買い」か?

ディーゼルのシェアを一部奪えるかも

ハイブリッドの5シリーズは、先代よりはるかにデキがよくなった。

価格はリーズナブルで、機能面では不満を感じることがなくなり、コストは燃料と税金の両面で節約できる。

もちろん、洗練された品質は、すでに定評ある5シリーズのレベルをそのまま受け継いでいる。

先代以上のセールスを記録するのは確実で、ディーゼルからシェアを奪う部分もそれなりにあるだろう。

BMW 530e iPerformance SE

■価格 £44,765(655万円) 
■全長×全幅×全高 NA 
■最高速度 235km/h 
■0-100km/h加速 6.2秒 
■燃費 50.0km/ℓ 
■CO2排出量 46g/km 
■乾燥重量 1770kg 
■エンジン 直列4気筒1998ccターボガソリン+モーター 
■最高出力 253ps/5000-6000rpm 
■最大トルク 42.9kg-m/1350-4250rpm 
■ギアボックス 8速オートマティック