3日、過去13年間で1人しか受験しなかった韓国の国家試験が物議を醸している。写真は韓国で売られている漢方。

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2017年7月3日、過去13年間で1人しか受験者がいなかったという韓国のある国家資格試験が物議を醸している。韓国日報などが伝えた。

韓国保健福祉部が韓国保健医療人国家試験院に対して総合監査を行った結果、韓薬(韓国における漢方薬の呼称)調剤資格試験の受験者は、2004年から昨年までの13年間で09年の1人しかいなかったことが明らかになった。受験者がいなくとも試験制度の維持に労力と予算はかかっており、1人の受験料9万ウォン(09年時点で約8900円)に対して出題などにかかった管理費用は100倍の900万ウォン(約89万円)に達している。

問題の原因は、1990年代初めに起こった、韓薬調剤権をめぐる韓医師と薬剤師間との激しい紛争にあるという。当時、韓医学界は「韓薬は韓医師が調剤しなければならない」と主張、一方の薬剤師らは「韓薬も薬」と主張していた。この紛争は、94年の薬事法改正により韓医師と韓薬薬剤師が韓薬調剤権を持つことで一応の決着がついたが、政府はその当時に薬剤師免許を持っていた人と薬学部に入学していた人(94年入学以前)に限り、新設した「韓薬調剤資格試験」に合格すれば韓薬調剤権を与えることにした。

つまり、当時現役の薬剤師や薬剤師を目指した人でなければ受けることができない試験なのだ。現在この試験を受けて韓薬調剤の資格を持った薬剤師は2万人余りいるというが、その後大学に入り薬剤師となった若者たちは韓薬を扱えない状態となっている。

保健福祉部は、今回の監査で「一時的な経過措置として施行された韓薬調剤資格試験から20年以上経過し、2010年以降は受験者がいないなど事実上寿命を全うしたものとみられる」とし、「受験対象者の権利が損なわれない範囲で制度を整備すべき」と注文したという。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「たった1人のために公務員たちはこの制度を維持しようって?マジで言ってるの?」「こんなに長いこと誰も問題提起したり修正したりしようとしなかったなんて、ばかみたい」との非難コメントや、「試験を廃止しろ。それに韓国は試験の種類が多過ぎる。ちょっとは調整して」「こういう税金の無駄遣いを徹底して調査してくれ」との要求コメントが相次いでいる。

中には「無知な人が多過ぎる。中国は『中国医学』という専門があって、状況に応じて西洋医学と東洋医学を適切に応用してる」と中国の実例を挙げるユーザーもみられ、これに対して「西洋医学も東洋医学もそれぞれ長短がある。韓国も中国医学のように韓医学と西洋医学を組み合わせた韓国式の医学体系をつくったら、今以上に世界トップの医療レベルになるのでは」という提案する声が上がった。(翻訳・編集/松村)