4日、韓国・聯合ニュースは、韓国国土交通部が鉄道テロ防止のために10カ月間にわたって実施している鉄道保安検査に対し、市民から不満の声が続出していると報じた。写真は韓国高速鉄道KTXの駅ホーム。

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2017年7月4日、韓国・聯合ニュースは、韓国国土交通部が鉄道テロ防止のために10カ月間にわたって実施している鉄道保安検査に対し、市民から不満の声が続出していると報じた。

韓国では昨年8月23日から、ソウル駅や釜山(プサン)駅、五松(オソン)駅など主要駅で保安検査が実施されている。全員が対象となる空港での検査とは異なり、鉄道警察が対象者を選んで検査台を通過させるシステムだが、旅行用スーツケースなど大きなかばんを所持している乗客を主に検査するなど、基準の曖昧さから不満を買っているのだ。

聯合ニュースが平日午前の3時間、ソウル駅で調査した結果によると、保安検査対象となった32組(男性32人・女性16人)のうち21組(65.6%)がスーツケースを所持した一行で、それ以外の人も皆、登山用リュックなど大きなかばんを所持していたという。

対象者からは「事前告知もなく、検査理由も教えてもらえなかった」「鉄道に乗るたびにほぼ100%の確率で検査を受けた」と批判的な声が上がる一方で、「不快だが耐えられるレベル」と肯定意見もあったほか、「東南アジア系の客を“標的”にしたような偏見に基づいた選別が行われている」との指摘も出たという。

またこれ以外にも、保安検査を一定時間休むことに対する非難の声も上がっている。ソウル駅では、装備の点検を理由に先月23日午後4時から1時間にわたって検査が休止されていたという。

こうしたさまざまな指摘を受け、国土部関係者は「全員を対象に検査を行うことは難しく、海外の事例や専門家の意見などを聞いた上で、大きなかばんの所持者を中心に検査している。ただし不快感を与えないよう無作為選別方式も並行している」と述べ、「外国人に対し『韓国で鉄道を利用したら保安検査をしていた』という認識を与えようとしているのは事実だが、人種による差別はない」と釈明した。

この検査によりこれまで見つかった危険物所持者は4人いたが、このうち3人は所持許可を受けた人だったことが判明、折り畳み式のナイフを所持していた1人だけが銃砲・刀剣・火薬類安全管理法違反の疑いで送検された。

記事は曖昧な基準による検査を批判的に報じたが、ネットユーザーからのコメントを見ると、その意見は論調とは正反対のようだ。「国民の安全のためにしてると思って、素直に応じてあげて」「面倒でも保安検査を徹底してほしい。これで爆弾テロでも起こったら『なぜ徹底してやらなかったんだ』と大ブーイングになるから」「事件が起こってから何を言っても手遅れ。国土部の決定を支持する」と、検査に肯定的な声が多数寄せられている。

また、「中国に行ってみなよ。身分証がなければチケットも買えない。駅に入るにも空港のようにチェックを受ける」「韓国の市民意識は中国にも劣ってるのか…」と中国の実態を伝える声や、何かと大騒ぎしがちな韓国社会を皮肉って「保安検査すると大騒ぎ、検査しないで事件が起こっても大騒ぎするくせに」とするユーザーもみられた。(翻訳・編集/松村)