スニーカーの靴の構造(消費者安全調査委員会の発表資料より)

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運動中に突然スニーカーの靴底がはがれて転倒し、けがをする事故が起きているとして、消費者安全調査委員会は2017年6月30日、事故の調査報告書を発表した。

運動靴は履かずに保管しているだけでも自然に劣化し靴底がはがれることがあるが、この事実を知らない人が非常に多いため、特に注意を呼びかけている。

7年間で4回使用の登山靴がもうダメに

消費者安全調査委員会の発表資料によると、靴底がはがれてけがをしたり転びそうになったりした事例は、2016年までの7年間に34件報告され、足首を骨折するなど重いけがをした事故も発生している。中でも靴を長く保管した状態から使ったために起きた事故では、次の5つを紹介している。

(1)2年前に購入したスニーカーを履き、ジョギングをしていたら靴底がはがれ、転倒してけがをした。

(2)昔買った新しい靴を履き、階段を降りていたら、靴の先がはがれ、転倒しそうになった。メーカーに連絡すると、「経年劣化が原因」と言われた。

(3)7年前に購入した登山靴の底が割れた。4回使用しただけで靴底がはがれるのは欠陥品ではないか。

(4)5年前に購入し、数回しか履いていないテニスシューズ。プレイー中にソールがはがれ、転んでけがをした。

(5)トレーニング用のシューズを履いて歩行中、靴底がはがれて転倒し、両足にけがを負った。

同委員会によると、運動靴の底の部分は2つの部分からなり、それぞれミッドソール、アウトソールと呼ばれる(図参照)。ミッドソールや接着剤によく使われるポリウレタンは、すり減りにくいなどの特長はあるが、熱や湿気に比較的弱く、時間とともに劣化しやすい。長期間保管しているだけでも割れたりはがれたりする可能性がある。

このため、同委員会では、前回の使用からかなり時間がたっている靴や、未使用のまま保管していた靴を使用する場合には、十分に注意が必要だとしている。また、報告書の中で「当委員会のインターネット調査では、使っていなくても靴底が劣化するという事実を知らない消費者は57%もいた。メーカーや販売店はちゃんと理解してもらうよう努力してほしい」と業界に対しても注意を呼びかけている。