2017-0704
日本国内に住む人たちの家族構成状況を詳しく確認できる公的データの一つとして、2017年6月27日に最新データとなる平成28年版(2016年版)が発表された、厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」がある。今回はその公開データを基に、構成人数別に世帯数の推移を見極めていくことにした。元々少子化・小世帯人数化が進んでいることは多種多様な調査結果から明らかにされているが、その実情をより詳しく知ることができる次第である(【発表ページ:平成28年 国民生活基礎調査の概況】)。
今調査の調査要件及び注意事項は、先行する記事【平均世帯人員と世帯数推移をグラフ化してみる】で解説済みなので、そちらを参考のこと。もっとも今回は「概況」で提示されている解説用ファイルのデータでは無く、より詳しく内情を精査できる総務省統計局のデータベースe-Statに収録されている値を使っている。

まずは純粋に世帯構成人数別の世帯数推移を見ていくことにする。世帯構成人数そのものが減少しているため、1966年から1970年は8人以上の世帯を一括して8人世帯に、1971年以降は6人以上の世帯を一括して6人世帯としている。それぞれの年で該当世帯が多少跳ねているのが確認できるはず。やや細かい部分をチェックするため対象領域を2001年以降、つまり今世紀に入ってからに限定したグラフも合わせて作成しておく。

↑ 世帯人数別世帯数推移(1953年-2016年、万世帯)
↑ 世帯人数別世帯数推移(1953年-2016年、万世帯)

↑ 世帯人数別世帯数推移(2001年-2016年、万世帯)
↑ 世帯人数別世帯数推移(2001年-2016年、万世帯)

1人世帯・2人世帯数の急カーブを描いての上昇、3人世帯の緩やかな上昇がひと目でわかる。そして4人世帯は1970年後半までは増加していたものの、それ以降は緩やかな減少。5人世帯となると1960年後半以降はほぼ横ばいで。1990年以降は漸減状態となっている。また、2011年以降は1人世帯・2人世帯の伸び方が加速化しているように見受けられる。

人口が増加傾向を示すためには、1世帯あたりの子供の人数が2人+α(理論上は2人いれば横ばいだが、不慮の事故などによる減少分を考慮すると「+α」が求められる。この考えを「人口置換水準」と呼び、通常は2.07人から2.08人と言われている)以上は必要となる。単純に今データが核家族だけだったとしても5人世帯(夫婦+子供3人)以上が減少している以上、人口の減少が避けられないことは明らか。さらに実際には3世代世帯なども含まれるので(もちろん1人身の親+未婚の子供世帯もあるが)、事態はさらに厳しいものとみて良い。

いわば今データは日本の「少子化」「核家族化」の双方を明確に表すグラフともいえるが、それがさらにはっきりと分かるのが次の図。世帯人数別に、世帯数を比率で区分したもの。少人数世帯を赤系統の色で着色したが、グラフが下に行く(年代が今現在に近づく)につれて、伸びていくようすが分かる。こちらも21世紀以降のみのグラフを追加した。

↑ 世帯人数別世帯数比率推移(1953年-2016年)
↑ 世帯人数別世帯数比率推移(1953年-2016年)

↑ 世帯人数別世帯数比率推移(2001年-2016年)
↑ 世帯人数別世帯数比率推移(2001年-2016年)

1人-3人までの世帯は1953年時点では3割にも満たなかった。それが1970年には50%を超え、直近の2016年データでは78.6%にまで伸びている(2015年は77.8%)。世帯数そのものが増加しても、1世帯あたりの人数が減少しているのであれば、総人口が増えるはずもない。



日本の世帯構成の変化の特徴は「少子化」「核家族化」「少人数構成世帯の増加」にある。【「結婚しても子供は必要ない」20代・30代は6割に】でも説明されている、社会感・価値観の変化も一因であり、同時に【「子供は欲しい、けど……」最大のハードルは健康? 仕事との両立? いえいえやっぱり……】でも説明されているように、金銭面を中心とした社会全体のバックアップ体制の不足・不信感・不安感の問題でもある。

世帯構成別に見た上でも、人口問題は短期的なものではないのが分かる。よって明確な戦略を打ち立てた上で、中長期的な視点でアクションをしなければならない。他国の問題ではなく、自国の問題であることを明確にした上で、不確定要素の少ない自国内での解決法を模索すべきといえる。ましてや無為無策、その場限り、行き当たりばったりな手立てでは、十年、百年単位で後世から罵られることは容易に想像が出来よう。「その時、自分達は居ないから」との態度が見える姿勢を示しては、将来どころか現時点でそっぽを向かれてしまうに違いない。