北朝鮮──その深部とポテンシャルを探る

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韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、来年開催される平昌冬季オリンピックの際に南北合同チームを結成する構想を明らかにしている。北朝鮮の国際オリンピック委員会(IOC)委員である張雄(チャン・ウン)氏は米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の電話取材に応じ、合同チーム構想を「馬鹿げた話だ」と一蹴した。

張氏は先月、韓国の茂朱で開催された世界テコンドー選手権大会に北朝鮮の選手らとともに参加するため、10年ぶりに訪韓した。

同氏はVOAに対し、同大会に北朝鮮選手の演武団が参加したことを、南北スポーツ交流の広がりであると拡大解釈すべきではないと釘を差した。また、交流拡大に期待を抱く韓国側の態度について、次のように指摘した。

「そう考えるのは、よく言わば天真爛漫、悪く言えば絶望的だ。政治、軍事的問題が解決していないのに、スポーツやテコンドーが北南のスポーツ交流を主導するというのか」

「絶対に問題は解決しない。北南間の政治問題が解決する前にスポーツで解決するというのは、天真爛漫極まりなく、過度な期待だ」

また、平昌冬季オリンピックの南北合同チーム結成については、シドニー五輪で南北の選手団が合同入場した例に触れつつ、否定的な見方を示した。

「(合同チームは)容易ではない。あの良い時代にも(合同入場を実現するのに)金雲龍先生(韓国の元IOC副委員長)と7回も会い、サマランチ(IOC会長)とも会ってようやく成就させた。今のような薄氷の上を這っているような状況で、合同チームなどどうやって作れるのか。馬鹿げている」

その一方で、このような期待は、南北問題が解決しないことによるもどかしさによるものと理解を示し、「だからこそ政治的問題をいち早く解決すべき」とも述べた。

文在寅大統領は大会の開幕式で、今回のテコンドー大会が南北関係の改善のきっかけになるとの期待を示していた。

また、韓国の統一省は南北協力基金から7000万ウォン(約689万円)を飛行機代や宿泊費として支出するなど、期待を込めつつバックアップを行っていたが、冷水を浴びせられた形だ。

一方で、IOCのバッハ会長は、南北合同チームについて「オリンピック精神に合致する」として歓迎の意を示している。