X JAPAN、日本ツアー直前 YOSHIKIインタビュー「どこまでが現実で、どこまでが夢の世界か分からないですね」

写真拡大

 いよいよ来週7月11日よりX JAPANのジャパン・ツアーが開催される。バンドの中心人物、YOSHIKI(ドラムス/ピアノ)の人工椎間板置換手術とその影響で、一時は実施も危ぶまれた同ツアー。だが【WE ARE X Acoustic Special Miracle 〜奇跡の夜〜 6DAYS】とタイトルを改め、バンド史上初のアコースティック形式でのライブとして遂行される運びとなった。目前に迫る“奇跡の夜”、そしてその先の展開に向けて、YOSHIKI本人に話を聞くことができた。

<YOSHIKIインタビュー>

−−まず、ファンの皆さんは体調が気になっていると思いますが、順調に回復してきていますか?

YOSHIKI:いると思うんですけど、まだ痛いです。手術後とあんまり変わらないですね。(左手が)ビリビリビリビリして、電気が流れている感じで、ものを触ると激痛が走るんです。

−−主にコードを押さえる側の手ですね。

YOSHIKI:そうですね。何を触っても、携帯を持っても痛いですね。右手も腱鞘炎で痛いんですけど、今は左手の痛みがすごくて、右手の痛みは全然感じないですね。

−−今回のようなアコースティックな形でのライブもやってみたいという気持ちは、もともとあったんですか?

YOSHIKI:そうですね。X JAPANにもそういう曲があるので。ただ、実際にリハーサルをやってみたら、思ったよりも地獄だったっていう。

−−編成やセットリストはどのようなものになりそうですか?

YOSHIKI:結局色々ありまして、X JAPANプラス、ストリングスが16人になりました。ある種、新たなチャレンジにはなるんですけど、ここ20年近くやってない曲もやると思います。今回こういうことになったので、逆に、この機会にそういう曲をやってみようという話でメンバーと盛り上がりました。

−−ライブの冒頭では、映画『WE ARE X』のスペシャル・カット版も上映されるとのことですが、このアイデアはいつ頃から?

YOSHIKI:3月にロンドンのウェンブリー・アリーナで実験的にやった時に、すごく感動した、という声を頂いたんです。60分の短いバージョンなんですけど、ただ単純に切ったわけではなく、細かく色々と変わっていて。それを観た後に途端にライブが始まるという、特殊な体験を、皆さんにして貰おうと思っています。

−−映画自体もロング・ヒットしていますが、映画を通してリスナーの層が拡がっている実感はありますか?

YOSHIKI:確実にありますね。まずアメリカ、ロンドンで封切りがあって、日本は中間地点。この秋はヨーロッパ各国で劇場公開になります。年内いっぱい(公開が)続きますね。僕も10何回か観てるんですけど、観るたびに新たな発見があります。

−−『WE ARE X』もそうですが、X JAPANはすごく物語性のあるバンドで、今回のライブまでの経緯にもドラマチックなものを感じてしまいます。

YOSHIKI:映画の直後にこういうことがあったので、変な話ですけど、映画の中にいるのか現実の中にいるのか、よく分かんなくなって来ました。映画の中で「身体が壊れるまでやっちゃう」みたいな話をしていて、今回、こんな感じになっちゃったので。もう、どこまでが現実で、どこまでが夢の世界か分からないですね。

−−その当人であるYOSHIKIさんは、普通だったらもっと混乱しそうな場面も、ある種、客観的に捉えているような冷静さが感じられるのが印象的です。

YOSHIKI:まぁ、人生なんて紆余曲折があって、はじめて人生だと呼べるようなものだと思うので。

−−紆余曲折を、ポジティブに楽しんだ方が良い?

YOSHIKI:この地獄を楽しめっていうのも、どうかなとは思いますけど……神経のダメージを受けてしまって、ビリビリ感がなくなるまで2〜3年掛かるかも知れないですけど、その後に、また「あの時は辛かったね。けど頑張ったね」みたいな思い出話が出来ると良いですね。

−−今もその痛みがインスピレーションになった、メロディが浮かんでくる、ということもあるそうですね。

YOSHIKI:そうですね。またこれによって、アーティストとしては、一つ成長できればなとは思いますけど…

−−やはり複雑なところもありますか?

YOSHIKI:良い意味でも悪い意味でも、なんでこんな人生になっちゃったんだろう、とは思いますね。でも、健康以外の部分は絶好調です。

−−ツアー後、8月からはディナー・ショー【EVENING WITH YOSHIKI 2017】が開催されます。こちらはどういった経緯でやることになったのでしょうか?

YOSHIKI:もう今年で4年目になるんですけど、話を頂いて、やってみたら、ファンの方々とすごい間近で。普段、僕らのコンサートは、アリーナ・クラス、スタジアム・クラスが多いじゃないですか?(ディナーショーでは)会話をしながら、リクエストを頂いて、その場で曲を弾いたりとか。すごく近いので、僕も緊張するんです(笑)。ドームとかスタジアムは、ドラムの位置からだと、一番近くても100メートル以上、離れてたりするので、お客さんの顔までは見えないんですけど、ディナー・ショーは本当に目の前にお客さんがいるので。緊張とともに、和気藹々ともしていて、僕の違った面を知って貰える体験になってるんじゃないかなと思います。

−−ディナー・ショーでは、トークや、YOSHIKIさんがプロデュースしている着物のショーもあるそうですね。

YOSHIKI:そうですね。今現在のトータルなYOSHIKIを見て頂くというか。もちろん僕は音楽がメインですけど、色んなことをやってますので。

−−この間、Billboard JAPANでお話を伺った時(http://www.billboard-japan.com/special/detail/1757)、音楽ビジネスの面でも、非常に意識的に活動されている印象を持ちました。ミュージシャンの活動をベースにしつつ、他の活動も並行して展開していくというのは、現代のミュージシャンの在り方として、真っ当な形の一つなんじゃないかなと思います。

YOSHIKI:そうですね。賛否両論もあると思いますが、音楽を作って、音楽だけを売って……そのビジネスって果たして成り立つのかな、という疑問はありますね。例えば、ロックって、音楽だけじゃなくて、生き方そのものがロック、みたいなことがありますよね。そういうものを全て含めて、どこかで辻褄があえば良いんじゃないかって思ってるんです。これから数年で、ミュージシャンの在り方が、もっと変わって行くと思いますね。

−−最近は、ミュージシャン自身が一つの“ブランド”のような存在になって、色んなもののハブになっている、という局面が度々見受けられます。

YOSHIKI:そうですね。音楽家は、200年前には、スポンサー無しには成り立っていなかった。そういうところ芸術が始まって、この配信/CDを中心とした著作権ビジネスの歴史は、本当に100年も経ってないんです。だから100年後には、またシステムがガラッと変わってる可能性もありますよね。

−−音楽家としてはもちろんですが、音楽ビジネスの面でも非常に注目しています。

YOSHIKI:決してミュージシャンが悲観的になる必要はないと思います。やっぱり、転換期に来てるんじゃないかなという気がしていて。僕も手探りですけど、みんなで手分けしつつ、色んな実験的なことや、可能性に向かっていければ良いんじゃないかなと思います。

−−可能性という意味では、今回のライブもリスナーのみなさんにとって新たな体験になりそうですね。

YOSHIKI:そうですね。こういう形で色んな皆さんに迷惑を掛けてしまいましたけど、逆に、もっと感動させるショーに出来たらと思います。


◎公演情報
【X JAPAN WORLD TOUR 2017 WE ARE X】
2017年7月11日(火) 大阪城ホール 開場/映画開始18:00 開演19:00
2017年7月12日(水) 大阪城ホール 開場/映画開始18:00 開演19:00
2017年7月14日(金) 横浜アリーナ 開場/映画開始18:00 開演19:00
2017年7月15日(土) 横浜アリーナ 開場/映画開始17:00 開演18:00
2017年7月16日(日) 横浜アリーナ 開場/映画開始17:00 開演18:00
2017年7月17日(祝・月) 横浜アリーナ 開場/映画開始17:00 開演18:00
※開場時間中に映画「WE ARE X」のスペシャルエディション(60分)を上映

<チケット ※追加席発売中>
S:13,000円 A:12,000円 B:10,000円 立見:10,000円(税込)
VIPパッケージ:(プラチナ)98,000円、(ゴールド)55,000円(税込)

お問合せ:ウドー音楽事務所(TEL)03-3402-5999

URL:http://udo.jp/