寺島しのぶが“果たせなかった夢”

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歌舞伎俳優の市川海老蔵が4日のブログで、長女・麗禾ちゃんの「なぜ私は(舞台に)出られないの? 歌舞伎座にもでたい」という思いに応えられず「なんとかしなくては」と対応に苦慮していることを明かしている。同じ日の情報番組で女優・寺島しのぶも少女時代に“なぜ自分は歌舞伎役者になれないのか”と絶望し、自分の将来像を描けず孤独感に苛まれたと告白した。

歌舞伎の世界では子役を除き、舞台に立つ役者は男性のみで成り立っている。しかし歌舞伎役者の七代目尾上菊五郎を父に、女優の富司純子を母に持つ寺島しのぶは物心つく前から踊りなどの稽古を始めており、自然に“歌舞伎役者になりたい”という夢を抱くようになっていた。毎月舞台に立つ菊五郎と一緒に遊んだ記憶はほとんどないが、父を心から尊敬する娘は歌舞伎座で同じ舞台に立ちたい―と稽古事に励んでいたのだ。

TBS系『ビビット』でインタビューを受けた寺島は「親は“歌舞伎を女の子はできない”と知った上で、私が生きていると思っていたんです」と穏やかな表情だった。両親は彼女の進路について口出しはしなかったが、まさか娘が本気で歌舞伎役者を目指しているとは思っていなかったようだ。だが寺島は、伝統ある音羽屋の後継者として周囲の期待を一身に背負う弟が羨ましくて仕方がなかった。そして弟が6歳で初めて歌舞伎座の舞台に立った時、彼女はそれまで続けてきた稽古事を辞め、自分の部屋に引きこもりテレビばかり見ていたそうだ。

「家族の中で自分だけが歌舞伎に関わることができない」という寂しさがやがて孤独感に変わり、自分の将来に希望を持てないまま大学に進学したという。しかし寺島が20歳の頃、当時父親と舞台で共演していた太地喜和子さんから女優の道を勧められ、それから文学座に入り女優の道を歩き始める。「ようやく情熱を傾けられる場所を見つけたんです」と彼女は当時を懐かしそうに振り返っていた。

今では名実ともに一流の女優となった寺島だが、果たせなかった自分の夢を4歳の長男・眞秀(まほろ)くんに託している。今年5月に歌舞伎座で初お目見えを果たした息子の晴れ舞台を、彼女は客席で涙を流しながら観ていた。一方で海老蔵は2013年12月に出演したラジオ番組で、「娘にどうやって(歌舞伎の道をあきらめるよう)説得すればいいか悩んでいる」と明かしていた。麗禾ちゃんの胸のうちを一番理解できるのは、寺島しのぶなのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 みやび)