すったんもんだの挙句に、ミランとジャンルイジ・ドンナルンマは契約を延長するようだ。だが、ミランのサポーターは満足しているのだろうか。イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は4日、ファンの間でも意見は二分していると報じた。

ミランユース出身のドンナルンマは、3月のユヴェントス戦で終了間際にPKを取られて敗れた際、ミランサポーターの前でユニフォームのエンブレムにキスをするなど、ミランへの愛情を強調していた。それだけに、ミランファンも弱冠16歳でデビューし、18歳にしてワールドクラスの仲間入りを果たしつつあるドンナルンマを新たなアイドルとして応援してきた。

だが、そんな蜜月関係に亀裂が生じたのが6月。4月に中国資本となったミランの新経営陣からの契約延長オファーを、ドンナルンマとミーノ・ライオラ代理人が断ったのだ。年俸500万ユーロ(約6億4000万円)の5年契約という、18歳には破格の条件にもかかわらず、愛していたはずのミランからのラブコールを突っぱねた形のドンナルンマは、ミラニスタの怒りを買った。

SNSでは「Dollarumma」というハッシュタグが登場し、U-21欧州選手権の初戦では開催地ポーランドのミランのファンクラブメンバーから偽ドル札が投げつけられた。つい先日まで相思相愛だったのはミラニスタとドンナルンマの関係は、一気に冷え切ってしまったのだ。

だが、激しい抗議を受けたからか、ドンナルンマの家族や周辺からは徐々に「本人はミラン残留を望んでいる」との声が上がる。ライオラ代理人もミランとの再交渉を認め、両者は再び話し合いの場をもうけた。そして3日、イタリアの各メディアは、契約延長が合意に達したと報じている。

レアル・マドリー移籍も噂されたドンナルンマは、これで新シーズンもミランでプレーするのが確実となった。だが、必ずしもハッピーエンドというわけではないようだ。


報道によると、ドンナルンマの新契約は年俸600万ユーロ(約7億7000万円)の5年契約。当初の500万ユーロから100万ユーロ(約1億3000万円)増となった。さらに、ミランは兄アントニオとも年俸100万ユーロの契約を結ぶという。つまり、ドンナルンマ兄弟に年俸700万ユーロ(約9億円)を支払うのだ。

それだけではない。新契約には契約解除金が設定されるという。しかも、ミランがチャンピオンズリーグ出場権を手にした場合は1億ユーロ(約128億3000万円)だが、出場できなければ5000万ユーロ(約64億2000万円)になるというのだ。ミランは新シーズンで4位以内を逃せば、来年夏にこの金額でドンナルンマを引き抜かれるかもしれないのである。

『ガゼッタ』によると、ドンナルンマの契約延長に安堵するファンがいる一方で、これらの条件に不満のサポーターもいるという。SNSでは「セックス中に目を見ることができなくなった浮気者の典型」「映画『ディアボロス/悪魔の扉』のアル・パチーノと同じだ。結局最後はライオラが勝つ」といった批判の声も上がっているそうだ。

ドンナルンマの契約延長は秒読みとされているが、選手とその周辺、そしてクラブは、こういったサポーターたちの声をどのように受け止めているのだろうか。