7月15日から公開される『パワーレンジャー』は、既にご存知かと思いますが、この作品は、日本の“スーパー戦隊モノ”が原案です。もっと詳しく説明すると92年に日本で放送されていた東映の特撮ヒーロー番組「恐竜戦隊ジュウレンジャー」(75年の「秘密戦隊ゴレンジャー」から数えて16作目)の特撮とアクション・シーンを流用し、ドラマ部分をアメリカの俳優達で撮り直して組み合わせて「マイティ・モーフィン パワーレンジャーズ」というタイトルでアメリカの子ども向け番組として放送され、たちまち大ヒット作になりました。

以後、日本で“〜戦隊”“〜レンジャー”が放送されると、翌年それが“パワーレンジャー”の新シリーズとして全米で放送される、という形で続いてきました。『パワーレンジャー』はその原点である「恐竜戦隊ジュウレンジャー」がベースの「マイティ・モーフィン パワーレンジャーズ」を大作映画化したものです。
そしてアメコミ映画ファンとしては、とてもマニアックな部分に感慨深いものがあります。78年にマーベルと東映が提携して、東映版=つまり特撮ヒーロードラマ版「スパイダーマン」が作られたのは有名な話ですが、もう一つマーベルが東映に影響を与えたのが“スーパー戦隊モノ”だったのです。実は「電子戦隊デンジマン」という“スーパー戦隊モノ”に登場するヘドリアン女王というキャラは、マーベルのマイティ・ソーに出てくるスーパーヴィランで死の女神ヘラ(の特に衣装)がモデルとされています。この女神ヘラは、この秋公開の「マイティ・ソー:バトルロイヤル」でケイト・ブランシェットが演じます!

そして「電子戦隊デンジマン」で、このヘドリアン女王を演じた曽我町子さんは、「恐竜戦隊ジュウレンジャー」で魔女パンドーラを演じました。先にも書きましたが「マイティ・モーフィン パワーレンジャーズ」は特撮とアクション部分のみ残し、アメリカの俳優でドラマを再撮して”別物”に仕上げたわけですが、この曽我さん演じる魔女パンドーラはインパクトが強く、そのまま出演シーンが使われました(途中で現地の役者が新たに演じます)。魔女パンドーラは、「マイティ・モーフィン パワーレンジャーズ」上ではリタ・レパルサという名前です。さて、映画版ではこのリタ・レパルサ役をエリザベス・バンクスという女優が演じるのですが、彼女はサム・ライミの「スパイダーマン」映画三部作で、美人秘書のベティ・ブラントを演じていた人です。

このベティというキャラは今度の「スパイダーマン:ホームカミング」にも登場します。スパイダーマンの最新作「スパイダーマン:ホームカミング」が封切られ、女神ヘラが暴れる「マイティ・ソー:バトルロイヤル」が公開されるこの年に、ヘラともスパイダーマンともいろいろな意味でゆかりのある「パワーレンジャー」が公開される…何か不思議な縁を感じてしまうのです。

テキスト/杉山すぴ豊