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●なぜ業態の違う大企業3社が集結したのか

日本マクドナルド、ローソン、ガスト(すかいらーく)が「ハワイ」をテーマにコラボキャンペーンを展開する。推していく商品はずばり「ロコモコ」だ。この豪華コラボは、なぜ実現したのだろうか。そして、得をするのは誰なのだろうか。

○ハワイ州は集客が狙い、今が格好のタイミング

ハワイ州観光局の声掛けで始まった今回のコラボ。「LOCOMOCO ALLSTARS」として同局から認定を受けたマック、ローソン、ガストの3社が、各店舗でロコモコに関する商品を展開する企画だ。具体的に言うと、マックではハンバーガーの「ロコモコ」、ローソンでは「からあげクン ロコモコ デミグラスソース味」など、ガストでは「チーズINロコモコボウル」を販売する。

ハワイではロコモコにエナジーフードとしてのイメージを持つ人が多いそう。食欲が減退しがちな日本の夏にキャンペーンを展開するには、ロコモコが格好のメニューだったようだ。

このキャンペーンが実現した背景と参加者の狙いが気になったので、主催者と参加者の双方に話を聞いてみると、まずハワイ州には、日本からの渡航者を増やしたいという考えがあるという。ハワイ州観光局局長のエリック高畑氏によると、日本におけるハワイ観光の歴史は長いが、昨年から今年にかけては、東京とコナ(ハワイ島)を結ぶ直行便も就航したとのことで、今が日本からの集客に注力したいタイミングのようだ。

○「本場で食べたい」と思ってもらえるか

ハワイ州観光局のPRマネージャーを務める宮本紗絵氏に詳しく聞くと、ハワイを訪れる日本からの渡航者は年間150万人に達する。しかし、人口を考えればまだまだ増やせるというのがハワイ州の考えだ。全国にチェーン展開する3社とロコモコのキャンペーンを実施し、気軽にハワイに触れてもらうことで、日本からの集客につなげたい。シンプルではあるが、これがハワイ州の狙いだと言える。どこかでロコモコに関する商品を食べた客の一部にでも、「本場で食べてみたい」と思わせることができれば、ハワイ州の目的は達成となる。

今回のキャンペーンで声を掛けたのは3社のみ。マックとは「ロコモコバーガー」を公認してきた(詳しくは後述)という間柄にあり、ローソンとは2年前に「ハワイフェア」を実施したという経緯がある。すかいらーくは横浜市本牧にハワイアンダイニング&カフェ「ラ・オハナ」を2017年6月にオープンしており、外食では「ここしかない」(宮本氏)と考えたそうだ。ファストフード、コンビニ、レストランと業態の違う3社と組むことで、ハワイ州は呼び込みたい潜在顧客とのタッチポイントの数を増やした。

なお、LOCOMOCO ALLSTARSの参加企業は増える可能性があるという。「ポキ」など、ロコモコ以外の食べ物をテーマとするコラボについては、「機会があれば考えていきたい」(宮本氏)とのことだった。

では、コラボに参加する企業の思惑はどのようなものだろうか。マックに話を聞いてみると、同社にとって今回のキャンペーンが“渡りに船”であることが分かってきた。

●キャンペーン参加で季節商品戦略の完成を狙うマック

○「てりたま」「月見」「グラコロ」に続けるか

マックでは2015年から夏の期間限定メニューとして「ロコモコバーガー」を展開しているが、この商品についてはハワイ州から公認を得ていた。この関係性が、今回のキャンペーン参加につながった。

今年から「ロコモコ」に名称を改めるロコモコバーガーだが、その特色は「本格肉厚ビーフ」と「野菜とビーフのうまみが凝縮した肉汁ソース」の組み合わせだ。今回から、ロコモコには同社商品の「グラン」と同じ大ぶりなパティを挟み込み、ボリュームとジューシーさを引き立てているという。ロコモコは単品で390円、バリューセットで690円。今年からはカレー味も追加となる。

ロコモコ推しキャンペーンの何がマックにとって“渡りに船”なのか。それは、季節ごとに定番の期間限定メニューを投入し、集客につなげているマックが、“夏”だけを多少、苦手にしていることと関係がある。

マックが好きな人であれば、春は「てりたま」、秋は「月見」、冬は「グラコロ」という風に季節の風物詩を思い浮かべることができると思うのだが、マックの夏の定番と聞かれて、どれだけの人が「ロコモコバーガー」と答えることができるだろうか。マックの商品開発担当に話を聞くと、ロコモコは販売面こそ「堅調」であるものの、夏の定番としての存在感については、月見などと比べれば見劣りすることを認めていた。

つまり、マックとしては夏の定番を作ることが急務だった。逆にいえば、夏限定商品としてロコモコを確立することで、マックは全ての季節を定番商品で網羅することができる。これは、季節感を大切にする日本での事業展開にとって大事なポイントなのではないだろうか。

ハワイ州という主催者のもと、コンビニおよびレストランという異業種のビッグネームと共同キャンペーンを展開できることは、マックにとってロコモコの知名度を上げるチャンスになるだろう。ロコモコが売れるかどうかは、マックの季節商品戦略を考える上でも重要な指標となりそうだ。