繁殖期を迎えたカエル。独ライプツィヒの池で(2014年4月1日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】数千万年前に恐竜を絶滅させた巨大小惑星の衝突が、地球上にカエルが集団繁殖地(コロニー)を形成するための余地を作り出したとする研究論文が3日、発表された。カエルがどのようにして世界で最も多様な脊椎動物の一つとなったかを明らかにする研究結果だという。

 米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文によると、10種のカエルが約6600万年前の大量絶滅を生き延びたと考えられるという。この大量絶滅では地球上の生命の約4分の3が消滅したとされている。

 大量絶滅を生き延びた10種のうち、3つの主要種のカエルだけが多様化を進め、地球上で生息地を拡大し続けた。存在が知られているカエルは現在、約6700種に上る。現生種のカエルの88%では、これらの頑強な祖先の3系統にまで起源をさかのぼることができる。

 論文の共同執筆者で、米フロリダ自然史博物館(Florida Museum of Natural History)の両生類と爬虫(はちゅう)類に関する分野で準学芸員を務めるデービッド・ブラックバーン(David Blackburn)氏は、「カエルは2億年以上も前から存在しているが、今日目にすることのできるカエルの大部分をもたらしたその多様性の爆発的増加は、恐竜絶滅後に初めて起きたことを今回の研究は示している」「この結果は完全に予想外だった」と説明している。

 科学者らの間ではこれまで、カエルの現生種の大半は1億5000万年前から6600万年前までの間に一定のペースで出現したと考えられていた。だが今回の最新研究は、小型両生類のカエルがむしろ「爆発的増加」に近い形で他の生物の消滅によって空席状態となった生息環境になだれ込んだことを示している。

 中国と米国の研究チームは今回の研究のためにカエルの遺伝情報を集積し、これまでに評価された中で最大規模のデータベースを構築。研究チームはカエル156種がら遺伝子サンプルを採取し、過去に発表された145種以上に関する調査データと組み合わせて使用した。過去の研究では調査対象の遺伝子が5〜12個だったのに対し、最新研究では95個の遺伝子について変異を調査した。そのことにより、個々の種が互いにどのように関連しているかをはるかに詳細に調べることができた。

■3回の爆発的増加

 また、研究チームは、異なる種のカエルが互いに分岐した時期を特定するために化石記録も調べた。

 その結果「新たなカエル種の爆発的増加が1回でなく3回、異なる大陸で起きた証拠」が見つかった。論文には「3回の爆発的増加はみな、大半の恐竜とその他多くの生物種が姿を消した約6600万年前の大量絶滅の直後に集中している」ことが明らかになったと記されている。

 大量絶滅を生き延びた3種のうち、ヒメアマガエル類(学名:Microhylidae)とアカガエル類(Natatanura)はアフリカから出現しており、もう1種のアマガエル上科(Hyloidea)は現在の南米大陸全体に拡散した。

■新たな生息環境へ

 恐竜と大半の鳥類の消滅により、白亜紀後期にカエルのための新たな生態的地位が形成された。

「広範囲に及ぶ森林破壊などの生態系の大規模な変化が、この時代に起きたと考えられる」とブラックバーン氏は指摘する。しかし、「微小生息域で生き延びることに長けていたカエルは、森林や熱帯の生態系が回復するにつれて、こうした生態学上の新たな好機を素早くものにしたのだろう」と続けた。

 論文の主執筆者で、中国・中山大学(Sun Yat-sen University)の研究者のペン・ツァン(Peng Zhang)氏は「今回の研究に関する最も興味深い点は、カエルが非常に強い動物群であることを証明したことだと考えている。恐竜を完全に消滅させた大量絶滅を生き抜き、そしてすぐにまた繁栄したのだろう」と語った。
【翻訳編集】AFPBB News