インドの経済紙エコノミック・タイムズが報じるところによると、米アマゾン・ドットコムは、現在米国などで販売している音声アシスタント機器「Echo(エコー)」をインドで発売する計画を立てている。

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多言語対応Echoを開発中

 インド版Echoは年内をめどに発売する予定で、当初、英語のアシスタントサービスが提供されるが、その後アップデートが施され、ヒンディー語、タミル語、マラーティー語が利用できるようになる見通しだと、事情に詳しい関係者は話している。

 また、アマゾンは現在、インド東部の都市チェンナイにある同社施設で多言語の音声入・出力技術を開発している。同社はインド企業の幹部やビジネスの専門家、アナリストらにEchoを提供しており、現在、試験利用してもらっているという。

 Echoはその標準的なモデルの米国価格が、179.99ドル(約2万円)。しかし、同社はインドのビジネス展開で、他国とは異なる低価格戦略をとっており、インド版Echoもこれに伴い、同国の消費者にとって魅力的な価格になるとエコノミック・タイムズは伝えている。

 例えば、アマゾンは昨年7月にインドで有料会員プログラム「Prime」を始めたが、その年額料金は499インドルピー(約870円)。米国のPrimeの年会費が99ドル(約1万1000円)、比較的安いと言われる日本の年会費でも3900円であることを考えると、インドでは破格値でサービスが提供されている。このことから、おそらくインド版Echoもこうした低価格の値付けが行われると見られている。

海外展開着々と

 EchoはアマゾンのAI(人工知能)搭載アシスタントサービス「Alexa(アレクサ)」が利用できるスピーカー型機器だが、同社がこれを米国で市場投入したのは2014年11月のこと。

 その後同社は、Echoの小型版「Echo Dot」と、携帯版「Amazon Tap」を相次いで発売し、据え置き型の映像配信端末「Fire TV」やタブレット端末「Fire HD 8」でもAlexaを利用できるようにした。

 そして、昨年10月には、EchoとEcho Dotを英国とドイツで発売したほか、スティック型映像配信端末「Fire TV Stick」の第2世代モデルを米国で発売し、Alexaに対応させた。このFire TV Stickの第2世代モデルは、今年2月に英国とドイツでも販売を始めている。

 残念ながらまだ日本では、Alexa対応機器が発売されていない。アマゾンは今年2月に、日本でFire TV Stickの第2世代モデルを発売したが、これにはAlexaが搭載されず、単に音声で映像コンテンツの検索が行えるというものだった。

(参考・関連記事)「アマゾン、音声アシスタントの世界展開着々と」

日本語版Alexaも登場か

 しかし、上述したように同社はAlexaの海外展開を進めており、この分野で攻勢を強めている。こうしたことから、日本市場への製品投入も近いのかもしれない。またアマゾンにとってはライバルの動きも気になるはずだ。

 例えば、米グーグルは昨年11月、同社のスピーカー型アシスタント機器「Google Home」を米国で発売。今年5月にはこの機器に搭載されるAIアシスタント「Google Assistant」を日本語に対応させ、スマートフォンで利用できるようにした。

 米アップルも今年6月、AIアシスタント「Siri」搭載のスピーカー型機器「HomePod」を発表。これを今年12月に、米国、英国、オーストラリアで発売し、来年には、順次販売地域を拡大していく計画で、日本向け製品も登場する見通しだ。

(参考・関連記事)「アップル、ついに音声アシスタント機器市場に参入」

筆者:小久保 重信