あまりにも身近な乗り物なので、普段私たちが意識をせずに使っているエレベーター。そのビジネスモデルはどうなっているのだろか。写真は三菱電機が手がけるエレベーターとゲートが一体になった行先予報システム

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“乗車賃無料”のエレベーター
その知られざるビジネスモデル

 私たちが毎日、お金を支払うこともなく乗っているエレベーター。身近な乗り物なので、意識をせずに使っている人がほとんどだろう。そこで改めて考えてみたい。エレベーターのビジネスモデルはどうなっているのだろか。

 世界のエレベーター・エスカレーターの新規設置数は年間約100万台。その3分の2が中国で、次がインドである。一方、日本の新規市場は年間2万台と、世界の中では2%にすぎない。

 エレベーターは、そのグレードによって、プレミアム、中級、ローエンドの3つに分けられる。ローエンドは主に新興国のエレベーターメーカーが占めており、日本メーカーは、高級ホテルに入るようなプレミアムと、台数を取るためのボリュームの大きい中級に参入しようとしている。

 三菱電機は、国内では長い間トップシェアをとり続けている。国内では、三菱電機、日立製作所、東芝、フジテックの日本勢と、オーティス、シンドラー(新規は撤退)の外資の6社で寡占状態にある。同社では昇降機というくくりで事業をしているが、そこにはエレベーターとエスカレーターが含まれ、台数比で言うと9対1の割合でエレベーターが多い。

 業界全体の収益構造は、ハードはとんとんだが、保守でゆっくり回収していく仕組みである。

ハードを収めて保守で儲ける
ジレットモデルは維持できるか

 従来、エレベータービジネスは“ジレットモデルの優等生”として、ハードを納めた後、長く保守で儲けるビジネスモデルで有名であった。しかしこのモデルも、維持することが容易ではなくなってきた。

 エレベータービジネスの顧客は、ハードと保守で異なる。本体と設置に関しては、ゼネコンや施主が顧客になるが、保守は住宅の場合は管理組合、オフィスビルの場合は管理会社となる(公共部門への納品の場合は、顧客は同一になる場合が多い)。「ハードを安くして、メンテナンスで儲ける」というビジネスモデルは、顧客が同じ場合には進めやすいが、別のときは各々の財布の大きさを考える必要がある。

 エレベーター本体の顧客であるゼネコンの財布は大きいが、近年の建設費高騰の中で、エレベーター費用を抑える傾向が強くなってきた。

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