メキシコ・ソノラ州サンタクララ湾で、網にかかったトトアバ(上)とコガシラネズミイルカ(1992年2月撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】メキシコ政府は、同国北部のカリフォルニア湾(Gulf of California)にのみ生息する希少な哺乳動物、コガシラネズミイルカ(通称バキータ)を絶滅から救おうと、訓練を受けたイルカを使って保護下にある繁殖海域へ誘導する計画を明らかにした。コガシラネズミイルカは世界最小のネズミイルカで、科学者らによると現在30頭ほどにまで生息数を減少させていうという。

 ラファエル・パキアノ(Rafael Pacchiano)環境・資源相は先月30日、米海軍が訓練したイルカを用いて、可能限り多くのコガシラネズミイルカを海洋保護区へと誘導する計画を9月に開始する予定だと明かした。

 パキアノ環境相はこの計画について困難が伴うものとの認識を示しつつも、ラジオ局とのインタビューで「われわれは米海軍とともに過去数年間、行方不明となったスキューバダイバーを捜索するために米海軍が訓練したイルカたちと力を合わせてやってきた。われわれはバキータを探し出すようイルカに訓練を施している。絶滅から救うチャンスを手に入れるため、できるだけ多くのバキータを捕えられるよう、請け負う必要がある」と語った。

 またメキシコ政府は、高級魚トトアバを捕獲するために用いられる刺し網漁を恒久的に禁止すると発表。中国ではトトアバの乾燥した浮き袋が珍味として、1キロ当たり2万ドル(約226万円)ほどで取引されているが、刺し網漁によりコガシラネズミイルカが死んでしまうケースが後を絶たなかった。

 来年までにコガシラネズミイルカが絶滅する恐れがあると警鐘を鳴らしていた世界自然保護基金(WWF)は、今回の動きを歓迎している。
【翻訳編集】AFPBB News