by James Mann

ミツバチの生息数の減少にはネオニコチノイド系殺虫剤が影響を与えているといわれていますが、一方で実験時にミツバチに与えられているネオニコチノイド投与量が自然界と比べると多すぎることが指摘されていました。そこで、カナダの研究チームがトウモロコシ栽培地域で実地検証を行い、慢性的にネオニコチノイド系殺虫剤の影響を受け続けることでミツバチの健康が悪化していることを明らかにしました。

Chronic exposure to neonicotinoids reduces honey bee health near corn crops | Science

http://science.sciencemag.org/content/356/6345/1395.full



Largest-ever study of controversial pesticides finds harm to bees : Nature News & Comment

https://www.nature.com/news/largest-ever-study-of-controversial-pesticides-finds-harm-to-bees-1.22229

トウモロコシは北アメリカ大陸の耕作地で最も多く栽培されている作物であり、ほとんどの種子がネオニコチノイド系の薬で処理されています。そして、セイヨウミツバチはここ10年ほど、インディアナ州やオンタリオ州、ケベック州のトウモロコシ栽培地域で高い死亡率を記録しています。

研究チームは、トウモロコシ農場から500mという養蜂場5つと、トウモロコシ農場から3km離れた養蜂場6つで、合計55つのミツバチの巣を対象として調査を行いました。すると、慢性的にネオニコチノイド系殺虫剤に曝されている、トウモロコシ農場の近くにある養蜂場のミツバチは、トウモロコシ農場から離れた養蜂場のミツバチと比較して、健康に悪い影響を受けていることがわかりました。女王蜂が不在になったあと、次の女王が群れに現れず無王群になってしまう事例も巣の大半で見られたとのこと。

また、働きバチがまだ幼虫の時点で、クロチアニジン(ネオニコチノイド系農薬の1つ)に曝された飼料を9日間にわたって与えられた場合、対照群と比較して寿命が23%短くなったこともわかりました。



この結果は従来から唱えられている「ネオニコチノイド有害論」を補強するもので、今後、規制へ向けた動きが加速する可能性がありますが、「農薬を使わない」という方向は難しく、代わりの農薬がまた別の影響を与えることも懸念されているところです。