Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US


Hasselblad(ハッセルブラッド)と言えば、その高額さとともに、カメラ好きなら誰もが知ってるスウェーデンの老舗の中判カメラメーカー。2016年、憧れのハッセルブラッドが世界初のミラーレス中判デジタルカメラ「X1D」を発表、カメラマンの間に衝撃が走りました。

そんなX1Dを、米ギズモードのVictor Jeffreys II氏が試用。美しい中判カメラの世界を表現してくれるとともに、実際の使い勝手を詳細にレビューしています。オートフォーカスのときの音がFAX機みたいだそうです。

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シャッターを押す度に、ノイズ音。この美しいカメラに、80年代のオフィスの騒音が宿ったかのよう。

Hasselblad X1D は、中判デジタルの機能をミラーレスと融合した世界初のカメラです。「中判」というのはカメラのセンサーが非常に大きくて、2階建てのビルなどを巨大なイメージで(詳細に)捉えるのに理想的。X1Dのお値段は本体のみで9,000ドル(日本では約110万円!)、でもその値段に見合うだけの非常に美しい写真を撮影することができます。そしてX1Dののシャッターを押す度に、昔のファックス機やコピー機のノスタルジックな音を彷彿とさせてくれます(あとで詳しく説明)。

X1Dは、他のハッセルブラッド製品同様、私たちのような“カメラ好き”のためではなく、プロフェッショナルのため、その中でもさらに特殊で限定的なプロフェッショナル向けに作られています。ストリートでスナップショットを撮るようなカメラマン、またイベント全体を撮影しなくてはいけないウェディングカメラマン向けではありません。

このカメラは、ほとんどの中判カメラと同様、大きなショットを対象にしています。カタログに掲載するような風景写真やポートレート写真やブツ撮り写真など、中判カメラで撮影できる精細なディテールは、主に看板やアートギャラリーなどの巨大な画像を印刷したりする場合に必要とされます。

世界初のミラーレス中判カメラであるX1Dは、5000万画素のCMOSセンサーを一般的な35mmフルサイズのカメラより小さい装置に搭載(ちなみに後発の富士フィルムは独自のフォーマットで5140万画素を実現)。

これは、ソニーの新しいα9(2420万画素)の約2倍で、さらにキヤノンの新しい5D Mark IV(3040万画素)より約2000万画素大きいのです。どちらもフルサイズのカメラですが、センサーサイズはX1Dのような中判カメラの約半分です(中判X1Dが32.9×43.8mm、フルサイズが24×36mm)。

X1Dは、ミラーレスカメラで最も大きいセンサーを備え画素数も最大級。小さなボディにテクノロジーを詰め込んで、ボディの重さはわずか725グラム。でもレンズを装着すると重く感じます。私の右手首と右腕は、使った初日に痛み出し、そして週末には握力が失われました…。つまりカメラの重量のバランスとグリップのデザインは、指を第二関節まで曲げてX1Dを完全に引っかけて、カメラが絶対に手から落としてはならない…という不思議な気持ちを生み出されます。だって、本体とレンズで約160万円の物体を落として壊すわけにはいかないですから、そりゃ手も緊張するわけです。


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US


「いや、ストラップをつければ良いじゃないか」と。僕もそう思います。でもX1Dは私の給料レベルじゃ手が届かないシロモノです。古いカメラに使ってたカメラストラップはたくさん持っているのですが、どれもチープで機能的、そして美しいラウンドカメラの通し穴には取り付けられなかったのです。ゆえに私は常に手で持つことになったのです。

3インチのタッチスクリーンLCDモニターのインターフェースは直感的ですぐに理解することができます。何回かスワイプやクリックをすれば、F/3.5からF/30にすることができるのです。ライブビューやヒストグラムフィードバック機能も備え、もちろんWi-Fi対応です。


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US


ハッセルブラッドは、独自のデジタルRAWフォーマット「3FR」を採用し、X1Dでは、110MBの3FRファイルを生成します(サイズはフルサイズカメラのRAWファイルの2倍)。これはデュアルSDカードスロットを使っていても、1秒あたり〜2フレームのキャプチャレートを使用すると、すぐに容量は一杯になりますね。Macのファインダーでファイル情報を取得しようとすると、レインボー渦巻きが延々とぐるぐるしだします。

しかし、その画像の大きさは毛穴まで見れるほど拡大できるのです(以下の写真はすべて1枚の画像から切り出し)。


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
ウィリアム君


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
目が美しい


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
肌も美しい


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
魂までも美しい!


超高解像度のおかげで、毛穴から瞳の奥までくっきりです。

X1Dは、どの中判カメラよりも小さく作られています。つまり三脚なしで撮影するのに向いているはずなのですが、移動しながらの撮影にはオートフォーカスの性能が重要になってきます。このカメラは、コントラスト知覚に基づき、35点のオートフォーカスを採用。必要な1つのフォーカスポイントを選択するのは簡単ですが、複数を選択するのは不可能です。これは煩わしいだけでなく、1つのフレーム内で同じ焦点を共有して即座に写真を撮影することを困難にさせています。


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
寂しそうなお婆さんのような表情のCK Swett氏。胸にエルスワースケリーの入れ墨


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
僕のアロエ


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
ウィリアムズバーグのテニスコート


ほとんどの人は、オートフォーカスのときの補助光に慣れていると思います。通常オレンジや赤の色味が多く、目立つと言えば目立ちますが、気が散るほどではありません。しかし、X1Dの全面にあるオートフォーカスアシストライトは白で、カメラが操作されるたびに、iPhoneのフラッシュで撮影したかのように感じます。もし人の写真をオートフォーカスで撮影する場合、この光は被写体の気持ちを盛り下げることでしょう。

このオートフォーカスライトに加え、フォーカス時にカメラが出す音(下を参照)、ミラーレスカメラによる遅延。これらすべて統合して、撮影のベストタイミングを逃してしまうと感じました。


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US


なんとこの光は、フラッシュじゃなくてオートフォーカスの補助光なのです。

そしてオートフォーカス時の補助光が光りすぎる問題に加え、半押しする度にカメラが(オートフォーカスで)FAX音を出すのも凄まじいのです。



ね? 凄くないですか?

誤解しないでほしいのは、このカメラは実に美しい写真を撮影できることは確かです。

ハッセルブラッドがこのカメラのために作ったXCDレンズは最高品質で、このカメラにはたくさんのテクノロジーと夢が詰まっています。


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
お肌のお手入れ


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
Joe T氏


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
シルバー


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
CKとVJ


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Images: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
#selfieart


最後にまとめ


・もしこのカメラを買うなら、さらにハードディスクも買ったほうがいい。画像ファイルサイズが巨大です。

・このカメラはものすごく音がうるさいので、もしこのカメラを買うなら、さらに耳栓も買ったほうがいい。

・マルチポイントオートフォーカス機能が搭載されるまで、僕はこのカメラは買わないだろう。

・シャッターを押した瞬間に写真が即座に撮れるというのは期待しないように。

・金額なんて大した問題じゃないと考えるお金持ちの方は、160万円を寄付してエンジョイ!

・ミラーがないだけでこんなに小さく。ハッセルブラッドの中判ミラーレスカメラ「X1D-50c」をハンズオン #CPplus

Image: Victor Jeffreys II/Gizmodo US
Source: Hasselblad

Victor Jeffreys II - Gizmodo US[原文]
(mayumine)