今、若い女性を中心に密かなブームとなっているのが、「御朱印」だ。ここ数年で御朱印を集める「御朱印ガール」と呼ばれる女性も現れている。

 御朱印とは、寺の本尊の名前や神社名などが墨書きされ、朱印が押されたもので、参拝した証となる。300〜500円ほどのものが多い。

 御朱印集めを題材にした漫画も発表されるなど、過熱する「御朱印ブーム」。しかし、人気の一方で、一部の人たちによるマナー違反が問題になっているという。

■宮司が「もう来ないで下さい」とツイートした意図

 茨城県・八坂神社が5月から頒布していた御朱印帳。ネットオークションに出品され、約3倍の価格で出品されていることを知った宮司は、ツイッターで苦言を呈した。

 「神社頒布品をオークションに出品し利益を得る行為は許せません。頒布品は祓いをし神徳を得られるように祈願しております。一般商品とは違うものなんです。もう来ないで下さい。」

 このつぶやきは拡散され、4万リツイートを突破。御朱印愛好家たちは、「(御朱印)は参拝あってのものなので、転売はやっぱり良くないと思う」「ありえない。最初から転売する人たちは、目的が違うのかな」と転売を非難する。

 ツイッターに寄せられた反応も、「非の打ち所なく正論」「八坂神社さんにエールを贈りたい」など、宮司を支持するコメントが大半だった。

 しかし、中には「買ったものをどうしようが人の勝手」「そちらの神様は来る人を選ぶのか」との意見もある。

 騒動の渦中にいる八坂神社の下村良弘宮司は、「4万リツイートということで、この反響の多さにはとても驚いている」と話す。

 下村宮司の前職は、なんとWebデザイナーだ。宮司という職業が一般の人にとってミステリアスな印象を持たれていると感じた下村宮司は、SNSを通じて、日々の近況などを発信している。

 そんななか、御朱印帳のことも制作過程の段階からSNSで報告。そのため、オークションサイトの出品者もツイッターを見ていたと確信し、今回のツイートに繋がった。

 下村宮司は、「『もう来ないで下さい』という言葉が、だいぶ皆様に残っているようだが、御朱印帳を転売目的で、何冊もお求めになっていたので、そういう方はもう来ないでください、ご遠慮いただきたい、という気持ちで申し上げた」と思いを語る。

 御朱印ブーム自体については、「神社・仏閣を知ってもらう良い機会」とする一方で、「御朱印を集めたいという心を増長させてしまうような頒布方法が多くなっているのも事実。オークションに出品している方、買ってしまう方だけの問題ではなく、我々も御朱印はどういうものか一度考え直して、問題が少しでも減るように努力する必要がある」との見方を示した。

 この騒動以外にも、祭りの時期にしか登場しない御朱印や富士山の頂上にある神社でしかもらえない御朱印など、いわゆる「レア御朱印」といったものがネットで売買されて問題になっている。御朱印をたくさん集めたいという人の中には、御朱印をもらうだけで参拝しない人もおり、1人で大量の御朱印をお願いして転売する人もいるそうだ。

 そもそも、神社やお寺で御朱印をもらうということは、参拝をしてその神社の神様とご縁が結ばれた「証」としていただくことを意味する。そのため、参拝しないで御朱印だけを集めることは、本来の意味とはかけ離れていることになる。

■参拝のマナー

 御朱印アートブックなどの著者・菊池洋明さんに、参拝のマナーと御朱印の素晴らしさを教わった。

【神社参拝の作法1】「鳥居をくぐる」

 鳥居から先は神様のエリア。そのため、入る前に挨拶の一礼をする。参道の真ん中は、「正中」といって神様が通る道のため、避けて歩かなければならない。

【神社参拝の作法2】「手水舎で清める」

 手水舎で手を洗うことは、心身の浄化を意味する。

(1)右手で柄杓を持ち左手を清める

(2)左手に持ち替えて右手を清める

(3)右手に持ち替え左手に水をためる

(4)その水で口をすすぎ再度左手を清める

(5)柄杓を立て残った水で柄の部分を洗う

【神社参拝の作法3】「お詣り」

 お詣りの際、境内に鈴がある場合は、まずそれを鳴らす。そしてお賽銭は投げ入れるのではなく、置くように静かに入れるのがポイント。

 参拝作法は「二拝二拍手一拝」だが、拍手の際に右手の指先を少し下にずらすといいそうだ。最後の一拝には、神様を送るという意味が込められている。

 また、菊池さんは一押しの御朱印を教えてくれた。東京・北区の瀧野川八幡神社の特徴は、アルファベットの「V」字型に御朱印が書かれていること。

 藤井知樹宮司は、「『瀧野川八幡神社』と7文字あるので、1行に書くとどうしても字が小さくなってしまう。これをなんとか2行で書こうと。八幡神社なので、勝利の神様だから“Victory”とした。国家鎮護というご利益もあるので、平和を祈念して、ピースサインと“Victory”の『V』と、両方の意味で書くようになった」ときっかけを語る。

 また、原宿にある勝利の神様・東郷神社では、イメージとは異なる御朱印帳が置かれている。東郷神社の御祭神といえば、ロシアのバルチック艦隊を破ったことで、世界三大提督にも数えられる東郷平八郎元帥。

 しかし、東郷神社の御朱印帳は「キティちゃん」だ。関秀充権禰宜は、「近くにキデイランドがあるご縁で、40年ほど前からキティちゃんお守りを出そうということになった。その流れで、キティちゃんの御朱印帳も出来上がった」と、経緯を語った。

( AbemaTV /原宿アベニューより)

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