宇宙人との対話をテーマに、コミュニケーションと言語の関わりを教えてくれた『メッセージ』。
宇宙船のラブロマンスを描いた胸キュンストーリー『パッセンジャー』。
今年のSF映画はひねりのある設定が目立ちますが、そこに「待った!」をかけたのが、新作映画『ライフ』です。
宇宙船にクリーチャーという、SFの基本を貫いている本作の魅力を紐解いていきましょう。

ポイント1: 主人公不明という特異さ

6名の宇宙飛行士が火星で発見した「未知なる生命体」。
宇宙船内でその生態を調べていくうちに、この生命体は人間を食い尽くすとんでもないモンスターであることが発覚! 
この生命体を地球に持ち帰ってはならない。宇宙飛行士はこの新たな「命」に対峙する。

というのがストーリー。

『ライフ』 7月8日(土)丸ノ内ピカデリーほか全国ロードショー 監督:ダニエル・エスピノーサ 脚本:レット・リーズ&ポール・ワーニック  (C)2016 CTMG, Inc. All Rights Reserved.

出演は『ゾディアック』のジェイク・ギレンホール、
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のレベッカ・ファーガソン、『デッドプール』のライアン・レイノルズ、そして真田広之と、豪華キャストが結集している本作。

さて、この映画は誰が主人公なのかな〜と探りながら見ていたのですが、ん〜、誰が主役かわからない! 皆それぞれキャラが立っていて、チームでクリーチャーに立ち向かうというスタイルで話が進んでいくので、誰もが主役とでもいいましょうか。まさに、人間VSクリーチャーという基本スタイルを守っていますね。

真田さん、無重力でも姿勢がいい!(C)2016 CTMG, Inc. All Rights Reserved.

真田広之の英語はかなり流暢。『ラストサムライ』ではほとんどセリフがなかった彼も、ハリウッド大作や海外ドラマに多数出演するスターに。アメリカのアカデミー会員に招待されたのも納得ですね。

そして『デッドプール』の続編が待ち遠しい、ライアン・レイノルズも本作ではオバカは封印。マッチョな男気あるクルーを熱演しています。ちなみに『デッドプール』のレット・リーズ&ポール・ワーニックが『ライフ』の脚本を手がけているので、映画マニア受けするセリフが飛び出すので、要チェックですよ。

ポイント2:監督のこだわりが強すぎる!

実はこの映画に登場する国際宇宙ステーション「ISS」は、CGではなくセットを作ったんだとか。実際にキャストと一緒に映り込んでいるステーション内部は、すべてセット。

ライアン・レイノルズの男気が冴える!(C)2016 CTMG, Inc. All Rights Reserved.

幅2.5mほどの狭い空間を作り、キャストをワイヤーで吊って無重力空間を行き来しているシーンを撮影したのだとか。映画のほとんどが無重力シーンなので、キャストは宙づりのまま演技をしていたことになりますよね。

キャストたちは長期間のトレーニングを積み、ワイヤーワークや無重力での体の動かし方を学んだそうです。皆のトレーニングの成果があってか、クリーチャーから逃げまどうシーンも、緊迫しながらも動きはスピーディ。無重力でこんなに早く動けるのか!と思うほどです。

ポイント3:化学の知識ナシでも楽しめる

最近のSF映画は化学や数学、言語学などの知識がないと意味がわからないものが多いのですが、『ライフ』はそんな心配はご無用。

火星で見つけたクリーチャーを地球に持ち帰ってはいけない。何とか駆除しなくては。というシンプルなストーリーなので、細かな知識がなくとも大丈夫。多少の難しいセリフはスルーしても話について行けます。この安心感が嬉しいですね〜。

ジェイクも叫ぶほど、クリーチャーの進化がスゴイんです。(C)2016 CTMG, Inc. All Rights Reserved.

クリーチャーのデザインはきちんと生物学を基にしたのだそうです。人間は多細胞で形成されていますが、このクリーチャーは単細胞。粘菌からヒントを得て、単細胞でも集合体として動くことができるんです。粘菌というとアメーバを思い出しますが、目に見えない極小なアメーバたちが結集して動き出し、巨大化したら……と考えると、怖いですよね。ネバネバが凄そうだ……。

レベッカ・ファーガソンの緊迫した演技も見物。 酸素切れってSFの定番ですけど、今回も息苦しいシーン、多々あります。(C)2016 CTMG, Inc. All Rights Reserved.

『ライフ』は最後まで息つく暇を与えません。

クリーチャーを地球に持ち帰らないというミッションを果たすため、生き残った宇宙飛行士たちは決死の行動を起こします。

果たしてそのミッションはコンプリートするのか! 最後までドキドキハラハラの連続が続きますので、期待してくださいね。