過日、受動喫煙を防止するための法整備が先送りされることが決定した。厚労省は飲食店や公共の建物内は原則禁煙とする案を提出したが、これに対し「厳しすぎる」と自民党内から反対の声が多く上がったようだ。
 
その“厳しすぎる”禁煙法を、英国は2007年に施行している。レストラン、カフェはもちろん、飲酒することが前提のパブやバーに至るまで、公共の建物内は原則禁煙。公共交通機関、教育関連施設、官公庁ももちろん全面禁煙だ。屋根の下で大っぴらに煙草を吸うことができる場所は、自宅と自家用車内くらいしかない。
 
この法律が発効してから10年目の今年、英国内の喫煙率が過去最低を記録したと慈善団体「キャンサー・リサーチ」が発表した。2007年に英国内にいた喫煙者は1,020万人だったが、2016年の調査で過去最低の830万人にまで減少したという。
 
同団体の代表、ハーパル・クマール卿は「この10年で、禁煙法が目覚ましい成功を遂げたことに非常な喜びを感じます。この法律は受動喫煙による致命的影響から人々を守るだけでなく、喫煙に対する人々の考えも大きく変えてくれました。今、煙草は社会的に受け入れられなくなりつつあります。命に危険を及ぼす依存症に陥る若者が、これからもさらに減っていくことを望みます」とコメントした。
 
実際、16歳から24歳の若年層の喫煙率は、2007年の26%から、この10年で17%にまで下がっている。
 
キャンサー・リサーチによる4,300人を対象とした最新の調査では、禁煙法の撤回を望む人は12%にとどまったという。また、20%が禁煙法をきっかけに本数を減らすことに成功し、14%が禁煙に成功したとか。
 
日本の受動喫煙防止対策は、世界でも「最低水準」と世界保健機構(WHO)から不名誉なお墨付きをもらっているが、今後どうなっていくのだろうか。