自由民主党HPより

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 きのう投開票が行われた都議会議員選挙で、前々回の選挙での最低議席数38を大幅に下回る、23議席という大惨敗を喫した自民党。各局とも、投票締切時の議席予測では28から29議席を予測していたが、それをも下回る結果になった。

 まさに歴史的大惨敗だが、この結果は、都民ファーストへの支持というより、安倍政権の横暴への国民の怒りによるものであることは明らかだろう。事実、都議選の告示直後は「小池人気と都民ファースト人気が結びついていない」「オリンピック会場や豊洲市場問題のグダグダで、小池人気も昨年の都知事選時ほどではない」などといわれ、自民党と五分五分という見方が優勢だった。

 それが、加計・森友疑惑にくわえ、"総理の意向"を決定づける萩生田光一官房副長官の加計ありき"指示"疑惑、豊田真由子衆院議員のパワハラ音声、稲田朋美防衛相の応援演説での自衛隊利用発言、下村博文都連会長の加計学園からの闇献金問題など次から次へと不祥事が勃発。しかもいずれに対しても不誠実きわまりない対応をとり続けていることから、安倍自民党への国民の怒りが頂点に達した。

 もちろん怒りの対象の中心にいるのは、安倍首相だ。安倍首相は自らの不祥事と政治姿勢によりこれだけの逆風を起こした張本人であるのに加え、選挙最終日の前日、秋葉原の街頭演説では「安倍やめろ」コールに逆ギレし、あろうことか国民を指差し「こんな人たちに負けない!」と一国の総理大臣とは思えない醜態をさらし、国民の不信感にダメ押しをするかたちになった。

 実際、安倍首相が応援演説のため訪れた4人の自民党候補は、1勝3敗という惨憺たる結果。しかも1勝の文京区の中屋文孝候補もわずか3位の共産党候補に対し215票差でのギリギリ当選で、安倍首相が唯一街頭演説に立った千代田区の中村彩候補にいたっては、20時の投票締切とほぼ同時に落選確定という大惨敗だった。

 千代田区の中村候補は落選後「首相の周辺の話がいろいろと報道で出ていましたが報道で取り上げられている内容も含め、脇が皆さま甘いと思いますね。人を罵倒したりとか、お金の問題であるとか、恋愛含め人間関係の問題とか、国民の信頼を失うようなことをしている時点ですごく恥ずかしいし情けない」と安倍首相を名指しし、国会議員を痛烈に批判している。

 ところが、当の安倍首相はこんな結果になっても、まったく反省の色がなかった。なんと大敗が報じられると会見をキャンセルし、敗戦の弁も語らず、トンズラしてしまったのだ。

 ちなみに、自民党が大勝した2013年の都議選では、開票当日の午後11時頃に私邸前で報道各社のインタビューに答え、「半年間の政権の実績について一定の評価をいただいたのではないかと思う」と胸を張っていた。それが、今回、私邸前で待っていた報道陣の質問に一切答えずさっさとひっこんでしまった。

 しかも、安倍首相がその前に何をしていたかというと、麻生太郎財相、菅義偉官房長官、甘利明元経済再生担当相というお友だちと高級フレンチ。会食では「首相の責任問題にはならない」「国政に影響を与えない」「みんなで首相を支える」「経済最優先」などと都合のいいことを菅ら"お友だち"と話し合ったという。

 この安倍首相の態度には自民党内部からも「外で飯食ってる場合ではないだろ」「都議選候補たちと一緒に涙を流すべき、なぜ何食わぬ顔でフレンチが食えるんだ」などと怒りの声があがった。

 こうした批判を受けてか、安倍首相はいちおう今日午前になって囲み取材に応じ、「深く反省」などと反省のポーズを示したが、一方で「停滞するわけにはいかない」などと語り、これからも首相の座に居座り続ける姿勢を示すと、そそくさと報道陣から離れていった。

 こうした態度を見ると、おそらく、安倍首相が今後も一連の加計疑惑の解明のための閉会中審査や臨時国会の要求などには応じることなく「都議選の結果と国政とは別問題」と強弁しつつ、早期の内閣改造で自分の責任に蓋をしてしまう作戦をとるのは明白だろう。それどころか、いつもの情報操作、謀略を駆使して、野党やマスコミ叩きを展開。改憲の動きを加速して、それを論点に一気に政権浮揚をはかろうと考えているはずだ。

 きょう、民進党の藤末健三政調会長代理が憲法改正に反対する執行部に異を唱えて離党することが公表された。藤末議員は都民ファーストの可能性が高いと報道されているが、自民党も歴史的大敗から目をそらすために、民進党の切り崩しを図っているのだという。

「自民党も憲法問題を軸に民進党議員の離党を働きかけているようです。5人といわれる離党組のうち、半分くらいが自民党に鞍替えするのではないか、といわれています。安倍さんとしては、とにかく民進党さえがたがたにしてしまえば、国政で追及されることはない。そのうえで、次の選挙で都民ファーストと協力すれば、維新と同じようにその人気を使って政権浮揚できるし、一気に改憲までもっていけると考えているのでしょう」(全国紙野党担当記者)

 だが、安倍政権がいくら情報操作や謀略を駆使しても、以前のようにはいかない可能性もある。一連の問題で、安倍政権のやり口は完全に国民にばれてしまったし、最大の火種である加計学園問題がたんに忖度によるお友だちの特別扱いにとどまらず、金銭疑惑に発展しそうな気配があるからだ。

 そのひとつが、下村前文科相の闇献金問題。下村氏は闇献金を否定し、選挙妨害だなどと言い張っているが、文科相在任中の違法性の高い献金を受けていた疑惑は日増しに高まっている。たとえば、下村氏は6月29日の会見で「加計学園の秘書室長が事務所を来訪」し代金を渡したと説明していたが、きのうの「しんぶん赤旗」の取材によると、下村氏のパーティを開いた団体「博友会」の届け出住所に、博友会の事務所はなく学習塾と運営会社があるだけだったという。

「同じような疑惑が安倍首相にもあるんじゃないか、との噂もあります。『週刊文春』幹部が"下村の次がある"と言ってるらしいんですね。すでに資料を入手し、第二弾としてやるんじゃないかという噂が根強く流れています」(全国紙社会部記者)

 また、少し前、加計学園傘下の通信制高校に、自民党の支部が置かれ、そこの支部長に加計孝太郎氏が付いていたことが報じられたが、今週の「週刊ポスト」がこの支部の存在が政治資金規正法違反である可能性を指摘している。

 さらに新たな疑惑も浮上している。国家戦略特区の事業には加計学園以外にも、安倍首相やその周辺人脈の企業がかかわっているケースがあるのではないかという疑惑が前々からささやかれていたが、そのひとつ、国際医療福祉大学の医学部設置認可をめぐり、安倍首相に直結する疑惑があるとして、新聞社が取材に動いているというのだ。

「この国際医療福祉大学の特区指定もプロセスは加計とまったく同じで、"最初から決まっていた"としか思えない不自然なものでした。安倍事務所の関係者が介在したという話もあり、うちだけでなく、複数の社が、取材チームを組んでいます。もしかしたら、近いうちに大々的に報道される可能性もあります」(全国紙社会部記者)

 いずれにしても、今回の都議選の結果だけで、即、安倍政権の「終わりの始まり」になるわけではない。安倍政権を本当に終わらせられるのか、それとも、一時的なガス抜きにすぎず、結局、安倍一強支配を続けさせてしまうのか。それはこれからのメディアの動きと、国民の声にかかっている。