トヨタC-HR(写真: トヨタ自動車の発表資料より)

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 道路運送車両保安基準の変更は、車のデザインに大きく影響する。現代の車のデザインは、トヨタのC-HRに見られるように、良く言えば「未来的」、悪く言えば「漫画チック」に作られている。そのため丸っこく絞られたボディーもあり、回転部分、つまりタイヤの張り出しをカバーできない基本デザインもある。それを無理やりカバーすると、全体のバランスを崩し、デザインとしては見栄えが良くない。

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 今回の改定でタイヤの突出制限が緩和された。「オーバーフェンダー」を取り付けるのを「カッコ良い」と見るのはレーシングカーだけかと思っていたが、そうでもないようだ。幅広タイヤが当然となった現代のデザインでは、タイヤを覆うフェンダーは当然のようにボディー幅から出ているものもある。それを覆うのはデザイナーの腕の見せ所なのかもしれない。

 オーバーフェンダーには機能的に重要な役割がある。それは「泥はね」を防ぐことだ。「ピッチ」と呼ばれるアスファルトの跳ね上げが、アンダーボディーに付くと、取るのが厄介だ。塗装を痛めた経験もある。それを防ぐ役割が大きいと思ってきた。確かに従来のデザインは良くその役割を果たしている。しかし、C-HRのデザインからすると、後部のボディーのでっぱりは少々いただけない。

 泥はね防止の部品をオプションで取り付ける人もいるが、現在ではアンダーボディーの材質や色に工夫があり、自由度が増している。丸く絞り込んだデザインには、この保安基準の変更は朗報である。

 もう一つは排気管の方向の制限だ。かつてトラックの排気管が横を向いていて、ディーゼル・エンジンのすすを吹き付けられて往生した。トラックのディーゼル排気ガスの規制が始まって、かなり改善したが、やはり横向きで直接運転席に向けられるのは勘弁してほしい。

 現在の排気ガスは浄化が進み、殆どにおいもなく無害であると分るが、やはり排気管開口方向は後方が良かろう。トラックなどは上方に向けるのがエチケットかと感じるが、迷惑するほどでなくなったことは、永年の自動車業界の努力によるもので評価したい。

 今回の保安基準改定で、カッコ良い未来のデザインが生まれることを期待しよう。