<MASH FIGHT! Vol.6 1st Season MATCH>、ファイナル進出はスロウハイツと太陽

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THE ORAL CIGARETTESやフレデリック、LAMP IN TERREN、パノラマパナマタウン、Saucy Dog、YAJICO GIRLを輩出したMASH A&Rのライブオーディションイベント<MASH FIGHT! Vol.6 1st Season MATCH>が、7月2日(日)、東京・渋谷TSUTAYA O-Crestにて開催された。

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同公演は、12月3日(日)に渋谷WWWで開催されるファイナルオーディション<MASH A&R presents MASH FIGHT! Vol.6 -FINAL MATCH->へのシード権を懸けたセミファイナルイベントとして行われたもの。オーディションアクトとしてAnger Jully The Sun、スロウハイツと太陽、マイアミパーティ、Rollo and Leaps、青はるまき、EgoGramの6組、さらにゲストアクトとしてMASH A&R所属アーティストのパノラマパナマタウンが出演した。

日本各地から集結した6バンドが熱演を繰り広げる中、激戦を制して今回シード権を獲得したのはスロウハイツと太陽。9月24日(日)に大阪で開催される<MASH FIGHT! Vol.6 2nd Season MATCH>の代表者、そしてこの後10月まで続くマンスリーオーディションから選ばれたアーティストと共に、ファイナルオーディションが行なわれることになる。以下、<1st Season MATCH>のオフィシャルレポートをお届けする。

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初代優勝バンドのTHE ORAL CIGARETTESが日本武道館公演を成功に収めるなど、輩出してきたバンド達も着実に大きな成果を上げているオーディション&育成プロジェクト「MASH A&R」。そのプロジェクトが主催する公開ライヴ型オーディション<MASH FIGHT>が、昨年までとは形式を変え6度目の開催を迎えた。東京と大阪でそれぞれバンドを選出し優勝バンドを決めていく流れから、今年は1〜3月の1st Season、4〜6月の2nd Season、7〜9月の3rd Seasonの3つの期間に分け、そこで選ばれたバンド達が最終的にグランプリをかけ<FINAL MATCH>を競い合うというシステムに変更。映像音源審査とその後のライヴ審査で1st Seasonと2nd Seasonを代表するバンドを選出し、そのふたつの期間の代表バンドと映像審査を通過した3rd Seasonのバンド達で<FINAL MATCH>と題されたライヴ審査を行いグランプリを決定するというものだ。7月2日TSUTAYA O-Crestにて行われたのが、映像審査を通過してきた6組のアーティストによるライヴ審査<1st Season MATCH>。12月3日渋谷WWWで開催されるファイナルへのシード権をかけてしのぎを削り合う、僅か15分の出場時間に自身らの未来を懸ける原石達によるステージが始まった。

出音から荒削りだが情熱的な音を聴かせるアンサンブルと、あきやま さる(Vo&G)による「渋谷ーー!!」という叫び声が、いきなりバンドのパーソナリティをどっぷりと伝えてくる。平均年齢17.8歳、静岡県出身の青はるまきの舞台がスタートだ。「この瞬間を楽しみにしてきた」と言わんばかりの好奇心と、トップバッターを務めるという緊張感が合わさった歌声が、青春性を伴ったキャッチーなメロディと合わさってステージに熱気をもたらす。そして何よりも特徴的なのが可愛げのあるキッチュな鍵盤の音で、涼しさを持ったこの音がバンドの音楽に合わさり個性的な音像を体現。「今日はオーディションじゃないですか? だから誰に対してライヴするのか、何のためにライヴをするのか考えたんです――手を上げてくれたあなたのために歌います。あなたのために売れます。あなたのためにもっと大きなステージに立ちます」という決意とシンクロするかのような「@余韻」では、前のめりで不器用だが目一杯の熱意が込もり、そこには「これから自分達の歌で多くの人々を連れていきたい」という想いがまんま乗り移っているように感じさせた。

続く札幌出身のAnger Jully The Sunは90年代オルタナティヴのようなひりついたサウンドを出しながらも、真ん中にあるのはあくまでも低くくぐもったまま伸びていく小竹森敬太(Vo&G)の声。灰色の感情を伝えるような声色が、堂々としたステージングと相まって迷いのない歌として響いてくる。きっとステージに立つ4人全員が「ここでどんな音を鳴らしたいか」をハッキリと共有できているからだろう。「今日は<MASH FIGHT!>っていう大会でライヴに来ましたが、僕らはまったく大会だとは思ってなくて。今日来てるお客さん、PA、スタッフ、すべての人に僕らの気持ちを届けに来ました。長い人生の中の1分1秒でもいい、あなたたちの心に少しでもこの音楽が残るように刻みに来ました。今日来てくれたあなた達のために歌います」(小竹森)という言葉は、きっと彼らが音を鳴らす理由そのものだ。「灰皿」、「望遠鏡」、「youth」とプレイが進むにつれてエモーショナルになっていった彼らのステージには、その切実な信念が貫かれているからこそのブレない「鳴り」があった。

三番手に登場したのはEgoGram。「楽しくいこう」(山本廉/Vo&G)と手短な挨拶を済ませると、山本のクセのある声とそのヴォーカルと火花を散らすようにグイグイと前に出てくる坂田直謄(G)の硬質なギターの音色で、フロアに向かって自身らの存在感を提示していく。「バンドは見ようと思えばYouTubeでも見れるし、その再生回数やTwitterのフォロワー数とかなんでも数字で見れてしまうような、そういう信用できないようなこの時代の中で、今日こうやってみんなが足を運んで見に来てくれてることには何よりも価値があると思う。そんなネットで見れる数字よりも、僕は岡山からこの東京に向かうまでの10時間のほうが信用できるし、ツアーで回った走行時間のほうが信用できるし、ここに来てくれたみんなのことが信用できます。絶対また会いましょう、最後にそんな曲を」という言葉と共に歌われた「グッドバイ」は、4人の抑えきれない情動が見事に乗っかった瞬間で、坂田と垣内渉(B)のコーラスが重なる瞬間のバンドとしての一体感が強烈だ。そんな重く熱いアンサンブルを最後に叩きつけていくパフォーマンスでステージを後にした。

前半の3組を終え、後半戦の始まりに登場したのはスロウハイツと太陽。名古屋を中心に活動する4人組である。「他の誰かじゃなく、今ここにいるあなたを救うためだけの15分です」(シミズ フウマ/Vo&G)という言葉と彼のはにかんだ笑顔が、このバンドが見せるこの後のステージングを示していたと言っていいだろう。ゆったりとしたBPMを軸にした楽曲達は、感傷的な心情をそのまま映し出すような幼さを残す声を引き立てていき、時に訴えるように歌われていく“居場所なんて どこにもないこと”、“もう生きてちゃいけないと思ったこと”(「本当につらくなってしまったあなたへ」)という言葉達がストレートに胸のに迫ってくる。「今日が僕らとあなたにとっての夜明けでありますように」(シミズ)という願いと共に奏でられた「夜明け」での、ラスサビを前にして上げられた多くの拳はきっと、終始芯を感じさせる言葉とそれに寄り添うように演奏されたリズムとメロディへの賛辞だろう。

いよいよ残すアクトもふたつとなった五番手として現れたマイアミパーティは、「何もない1日をいい1日にできるように札幌からきました」という掛け声とともにスタート。性急なリフのロックンロール・ナンバーは、さくらいたかよし(Vo&G)の口から畳みかけるように発砲されていくリリックを乗せて小気味よくフロアに迫っていく。「楽しい1日にしましょう。笑って帰る1日にしましょう!」(さくらい)という言葉通りの、彼らのスタンスを存分に伝える爽快な演奏が印象的だ。ギュウギュウに言葉を詰め込みサビでグッと開けていく「夜明け前」のような楽曲の構造ももちろんだが、照れくさそうに口にした「ド緊張ですよ」(さくらい)というMCなども含め、演奏だけではなく言葉の隅々に自分達のリズムを持った姿に彼らのアイデンティティが滲んでいる。「いろんなこと考えました。今日優勝しないと、今ここにいる人達にはもう二度と会えないんじゃないか、メジャーデビューしないと二度と会えない人もいるんじゃないかって思いました」と素直に語られた不安は、しかし同時にこのバンドが抱く未来への期待の裏返しだろう。地声に近い熱い声に乗ってストレートに響く「アベリア」にはそんな意志が宿っていて、去り際の「俺達とお前らお客さんでいい音楽を未来に残す!」という決意にも胸を熱くさせれた。

さあ、あっという間に迎えた最終アクトはRollo and Leaps。大学生4人で構成された、都内を中心に活動する正統派のギターロックを聴かせるバンドである。1曲目の「ミッドナイター」を終えた後の「僕らはあんまりカッコいいこととか言えないんで一番いいステージして帰ります」(高谷瞳二/Vo&G)というMCに象徴されるように、彼らの音楽には余計な飾りつけは一切なし。自分達の武器を真っ直ぐ聴かせるのが上手いバンドで、メロのアレンジは工夫が凝ってはいるが聴き心地はよく、ポピュラリティを持ったサビに向かって聴き手の体内を静かに燃やすような展開が見事だ。そして最も印象に残ったのは「箱庭の子どもたち」を始める時に告げた「俺らに一票入れてください。絶対に決勝に行きたいんで」という「真っ直ぐ過ぎる」セリフだろう。不器用と紙一重の言葉だが、しかしこの日のアクトの中で唯一といってもいいほど「勝負」を意識した高谷の肉声は、彼らの真剣さと音楽に対する情熱を伝えるのには十二分で、「箱庭の子どもたち」の抑えたリズムから生まれるグルーヴには並々ならぬ熱意が憑依しているように聴こえてきた。

だが、きっちり他のバンドにはないエネルギーを見せつけていたのが、Rollo and Leapsの終演と同時に始まったオーディエンスと審査員達による投票とその集計を待つ間にゲスト・アーティストとして登場した、本大会の2015年の優勝バンド・パノラマパナタウンである。多くの舞台やプロとしての楽曲制作を体験してきたその経験値を血肉化してきた重厚感のあるアンサンブルが快調で、ねっとりしたグルーヴを聴かせる「シェルター」も、彼らの代名詞とも言えるヒップホップを吸収したロックナンバー「ロールプレイング」も、緩急をつけながら爆発していくパフォーマンスを披露。自身らの曲がライヴの中で育っていっていることが如実に表れるプレイであり、何より「ただの30分じゃない。ただのオーディションのライヴじゃない。今日を伝説の夜にしにきました」という岩渕想太(Vo&G)の宣誓にも表れている通り、彼らのスタンスは常にチャレンジャー。「未来のことを考えると正直泣き言を言う時もある。でも、俺達は光しか見てないし、自分達のやりたいことを貫けばシーンを変えられると思ってます。だからみんなもやりたいこと貫いて欲しいと思います」(岩渕)という告白も飛び出したが、ある意味、この日一番「等身大」の姿で臨んでいたのが彼らだろう。苦難を知ったからこそ、真ん中にある理想や信念だけが歌になるようになってきたのだろうか。そんなゲストアクトとしてではなく「7組目のアクト」として登場してきたような熱演は「リバティーリバティー」で終幕し、会場に熱気を残し「結果発表」へとバトンを渡していった。

そして数々のライヴを観た興奮と、結果への期待と不安が会場中を覆う中発表された優勝バンドは、スロウハイツと太陽。投票含めて僅差であったという激戦を制し<FINAL MATCH>の出場権を手にした彼らが、12月3日、バンドとしての真価を発揮できるかどうか注目だ。

Photos by 釘野孝宏

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なお、12月に開催される<MASH FIGHT! Vol.6 FINAL MATCH>のゲストアクトにはSaucy Dog、YAJICO GIRLの2組が決定した。チケット販売は明日7月4日(火)よりスタートする。

<MASH A&R presents MASH FIGHT! Vol.6 -FINAL MATCH->
2017年12月3日(日) 東京・渋谷WWW
OPEN 16:00/START 16:30(予定)
[出演アーティスト]
オーディションアクト:
スロウハイツと太陽(1st Season Match 優勝者)
オーディションアクト:5〜6組(2nd Season 優勝者 + 7〜9月度マンスリーアーティスト)

ゲストアクト:Saucy Dog / YAJICO GIRL
MC:藤田琢己

チケット料金: 前売1,000円(税込・ドリンク代別)、当日券 1,500円(税込・ドリンク代別)
プレイガイド: e+ / ローチケ(Lコード:74306)
主催: MASH A&R
[問]MASH A&R事務局(info@mash-ar.com)

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