MSNの代わりは見当たらない。16/17シーズンのFCバルセロナ。ルイス・エンリケ政権の象徴だった3トップは、相も変わらず爆発した。ラ・リーガ38試合に限っても、ゴール数はリオネル・メッシが37、ルイス・スアレスが29、そしてネイマールが13。南米を代表するアタッカーたちが叩き出した数字の合計は、79にもなる。昨季のリーグ戦における総得点116の内、4分の3に近い数字をトリデンテが計上したのだ。もはや“MSN”なくして、バルサの攻撃は完結しない。

しかし裏を返せば、攻撃面でメッシ、スアレス、ネイマールの3選手に依存し過ぎているとも言えるのでないか。もちろん確実に圧倒的な結果を残すのだから、無理をして“MSN”を解体する必要はない。また昨季だけでなく、ここ3シーズンに渡って3者とも重傷と無縁。滅多に長期離脱しないため、計算を立てることができる。エンリケでなくとも、どんな指揮官であれ使いたくなるだろう。

しかし万が一ということもある。もし代表招集時にアクシデントが重なり、スアレスもネイマールも欠くようなことがあれば、バルサの得点力は激減してしまう。不測の事態に備え、やはりバックアッパーは不可欠。だが15年にアトレティコから加入したアルダ・トゥランも、昨年の夏にバレンシアから加入したパコ・アルカセルも、昨季はその役目を十分に担ったとは言い難かった。6月30日時点で、バルサはジェラール・デウロフェウの買い戻しを画策しているとされるが、この“MSNのバックアッパー問題”は、引き続き来季も課題となりそうだ。(本文/本田千尋、写真/kinggear)