新型シビック TYPE R 量産モデル(本田技研工業の発表資料より)

写真拡大

 SUV旋風が吹き荒れる中、セダンタイプのホンダ・新型シビックはスポーツマインドを前面に打ち出してきた。トヨタ・新型カムリも同じようにスポーツマインドを前面に打ち出してきたが、これがセダンの生き残る道なのだろう。

■ホンダ・新型シビック・タイプRヒルクライム「グッドウッド2017」に挑戦

 グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード・ヒルクライムでは、F1マシン、WRCマシンまで参加する最高峰のレースと言えよう。近頃のターボマシンにとってヒルクライムは得意とするところだ。

 ホンダ・新型シビック・タイプRは低速トルクが強く、立ち上がりを苦にしない特性はヒルクライムでの上り坂に向いており、燃費規制でダウンサイジングしたとはいえ、性能が上がっているとの印象を作るには最適と言える。かつての「回転馬力」を頼りとするエンジンでは、ヒルクライムでのコーナーからの立ち上がりは、レーサーの腕前が試される場面だった。現在のダウンサイジング・ターボエンジンでは低速トルクが強く、アクセルを踏み続ける度胸があれば、だれでもタイムを短縮することが出来る。

 ホンダ・新型シビック・タイプRでは、2リットル320ps、最大トルクは40.8kgmをたたき出し1,000回転から有効なトルクを発生させる。問題はFFであることから、独特の癖を読み取るドライバーが必要だった。しかし、現在では狙ったラインをトレースすることを補佐する電子制御システムも装備され、レブマッチシステムの装備でダブルクラッチも必要とされず、ヒル&トゥもおこなわない。この装置を稼働させてのヒルクライムなら、だれでも同じようなタイムをマークできることになる。是非とも、レースの際の補助装置稼働状況を公表して欲しい。

■セダンの生きる道

 スポーツマインドがSUVに浸食されるセダン市場の回復の手掛かりとなるのであろう。高速で走り抜ける楽しみよりも実用的使い勝手を優先するユーザーが世界中で増える中、セダンの生き残りを探る動きで、ひときわ目立つのがスポーツカーだ。車高の高いSUVでもポルシェはスポーツカーとしての性能を確保して、ワイド・ローのスポーツカーの常識を変えてきた。

 しかし、何といっても重心の低い空気抵抗を抑えたスタイルがスポーツカーの神髄であり、ホンダ・新型シビックの発売にあたり、スポーツマインドの看板を背負って登場したのがタイプRであろう。

 「両方あってよい」が感想だ。3リッター・NAエンジンを超える低速トルクを備えた新型シビック・タイプRが、その力を見せつけるには最もふさわしいのが「グッドウッド2017」・ヒルクライムである。