TLC、約15年ぶり、最後となるスタジオアルバムをリリース(Album Review)

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 『オン・ザ・TLC・ティップ』(1992年)、『クレイジーセクシークール』(1994年)、『ファンメイル』(1999年)の3枚の大ヒット・アルバムや、「クリープ」(1995年)、「ノー・スクラブ」(1999年)などの全米No,1ヒットをもつ、ガールズ・グループのレジェンド、TLC。彼女たちが、故・レフトアイの死を経てリリースした、2002年の4thアルバム『3D』から、およそ15年振り、通算5作目のスタジオ・アルバムとなる『TLC』を6月30日にリリースした。

 本作をリリースするにあたり、2015年1月から資金調達サイト「キックスターター」で募金の呼びかけをし、ケイティ・ペリーやジャスティン・ティンバーレイク、ベット・ミドラー、ソウルジャ・ボーイなど、人気アーティストたちも寄付したことで、目標金額を達成。彼らの支援もあり、完成させることができた本作は、セルフ・タイトルとしただけはあり、『TLC』らしいアルバムに仕上がっている。特に、「ジョイ・ライド」や「パーフェクト・ガールズ」、同期でもある、ラッパーのスヌープ・ドッグがゲストとして参加した先行シングル「ウェイ・バック」は、TLCの全盛期である90年代へプレイ・バックしたような懐かしいナンバーで、往年のファンも納得の出来栄えだ。

 ボビー・ヘブの「サニー」(1966年)と、アース・ウィンド・アンド・ファイアの「セプテンバー」(1978年)の大ネタをサンプリングした、ハウス・チューン「イッツ・サニー」や、ホーン使いの70年代風のファンク「アイ・マザファッカー」など、クラシカルなナンバーから、冒頭の「ノー・イントロダクション」や「アメリカン・ゴールド」など、大流行中のトラップを意識した曲もある。エレクトロR&Bの「スキャンダラス」、ラップを絡めた「ヘイターズ」、アコースティックギターをバックに、囁くように歌うメロウ・チューン「スタート・ア・ファイア」など、どんな楽曲もTLCらしい曲にしてしまうベテランならではの業には、感服させられる。

プロデューサーのDマイルは、リアーナのデビュー作『ミュージック・オブ・ザ・サン』(2005年)や、メアリー・J.ブライジの『ザ・ブレイクスルー』(2005年)、ジャネット・ジャクソンの『ディシプリン』(2008年)などを手掛けた音楽プロデューサー。その他にも、アッシャーやジャスティン・ビーバー、P・ディディ、リル・ウェインなどの作品にも参加している。

 国内盤には、「ウェイ・バック」のエクステンデッド・ヴァージョンと、「イッツ・サニー」のルーカス・バレンタイン・リミックスがボーナス・トラックとして収録される。