柏レイソルDF中山雄太

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 プロ2年目の昨季、レギュラーポジションを奪い取った柏レイソルDF中山雄太。今季も開幕からスタメンを張り、5月にはU-20日本代表の一員として出場したU-20W杯で全試合フル出場を果たした。成長著しい20歳が自身初の世界大会を振り返るだけでなく、プレーやキャプテン、スパイクへのこだわり、そして3年後に東京で行われる五輪への熱い思いを語った。


自分が求めていたものと
終わったときの感覚が違う

――5月のU-20W杯では全試合フル出場を果たしました。今、振り返ってみて、自分にとってどういう大会になったと感じていますか。
「大会前から自分の実力を試すというか、見せ付けてくるような、証明するような大会にしたいと思っていました。でも、そういう感覚では終わっていないという印象ですね。あとは結果を出せなかったので、やっぱり悔しかった。しかも、日本と対戦した相手がベスト4の中に3チームもいたので、より悔しさを感じましたが、実力がなかったからそこまで行けなかったと思っています」

――具体的にどういう部分を世界で見せたかったのでしょうか。
「持ち味の攻撃の部分、それは他国のCBよりも絶対にできるというのを見せたかったし、課題と感じていた守備の部分で努力して成長させてきたものを見せてやりたいと思っていました。特に守備の部分は課題として取り組んできたのですが、大会に入ってみるとやられてしまう部分が多かった。空中戦などは意外とやれたという手応えもありましたが、相手が良い状態でボールを持ったときの対応にはまだまだ課題を感じました。ウルグアイ戦の1失点目なんかは、相手が良い状態で持ったときに自分が抜かれて失点したので、そこはまだまだ足りません」

――チームとしても、初戦の南アフリカ戦と第3戦イタリア戦では最終ラインのズレを突かれて失点してしまいました。
「自分個人としても、あまりU-20代表の活動にいけていなかったのですが(3月のドイツ遠征を負傷で辞退するなど、AFC U-19選手権後はアルゼンチン遠征のみに参加)、自分とトミ(DF冨安健洋)はずっとコンビを組んできたので、言わなくても分かる部分はあった。でも、それだけでは足りなかったし、もっともっとすり合わせないといけない部分がありました」

――相手のサイドアタッカーにスピードがある選手がいたため、SBの選手が警戒して引いて構えることもありました。
「SBの選手が引いてしまう気持ちは分かりました。その部分も結構話し合いましたが、それならもう少しはっきりとラインを上げてほしいという意見もあった。確かに緩んでいたというか、『これくらいで大丈夫だろう』という感覚でラインを上げていたときもあり、曖昧なところを突かれて失点してしまったので、上げるときはもっとしっかり上げるべきでした」

――それでも、決勝トーナメント1回戦ベネズエラ戦では守備を立て直しました。
「それまでの試合は相手の攻撃に対しての準備を怠っていたわけではないけど、突き詰められていなかったし、ちょっと緩んでいる部分があったので、原点に帰ってそこを見直しました。イタリア戦では最終ラインにズレが生じて失点しましたが、個人のミスではなく、全体のミスだったので修正はしやすかったし、ベネズエラ戦だけは良い入りができましたが、もっと早い段階で気付かないといけなかったですね。ただ、世界を相手にしてラインコントロールの難しさを改めて感じましたが、そこも楽しさだなと思いました。オフサイドトラップが決まったときとかは、前線の選手も助かるだろうし、そこでマイボールにできますからね」

――攻撃面ではドリブルで果敢に持ち上がるなど、持ち味を出せた部分もあると思います。
「ボールの失い方が悪かったら怖い部分があったし、満足はしていませんが、状況をしっかり把握して持ち上がることができたし、ロングパスを通せる場面も多かったので、『やれるな』という感覚はありました。それだけに相手がもっと嫌がることや、得点につながるプレーをしなければいけなかったと思います」

――サイドチェンジから攻撃にリズムをもたらす場面もありました。
「相手があまりプレッシャーに来ないので、結構蹴らされる場面が多かったですね。自分のキックの精度が試される状況で、比較的、自分の感覚としても通せたと思いますが、満足感はないです。決定的な崩しにつながることはなかったので、その次の展開につながるようなもっと良いパスを出せたはずだと思っています」

――いろいろな課題が見つかり、今後につながる大会になったとも思いますが。
「世界大会を経験できたのは良かったですが、すべてが良い経験になったとは言えません。優勝していたら、良い経験だったと言えるかもしれませんが、やっぱり結果を残せなかったので。グループリーグ突破というチームとしての第一の目標を達成できたことに対しては良かったと言えますが、自分が求めていたものと終わったときの感覚が違うし、自分自身もっとできたんじゃないかという悔しさが大きいです」

チームの先頭に立つのに
苦手な思いも抵抗も全然ない


――U-20W杯ではグループリーグ第2節ウルグアイ戦から、ゲームキャプテンを任されました。
「キャプテンマークを巻いていないときも、U-20日本代表では一番年上の代になるので、チームを引っ張っていかないといけないという意識は当然ありました。でも、試合でキャプテンマークを渡されたら、その気持ちがより一層強くなった。個人的にも世界大会でキャプテンマークを巻かせてもらえたのは、本当に良かったし、そこについては良い経験になったと思います」

――柏U-18時代もキャプテンを任されていましたが、チームの先頭に立つのには慣れている?
「キャプテンは小学生の頃もやっていたし、基本的に人の先頭に立つことに苦手な思いはありません。監督から求められていることができているかは分かりませんが、任せてもらえると嬉しいし、抵抗は全くないですね」

――今後、年代別代表や柏でキャプテンマークを巻きたい気持ちはありますか。
「自分からはやらないかもしれませんが(笑)、任されたらやりたいですね。僕はどちらかというと、前に出るよりも縁の下で支える黒子的な役だと思っています。キャプテンを任されてもタイプ的にはグイグイ出るよりも、態度や背中で見せて『ついてこい』という感じで、ついてこなかったら『置いていくぞ』というタイプなので、選手の中では好きか嫌いか分かれるかもしれませんね」


――ピッチ内外で冷静にチーム、周囲が見えている印象を受けます。
「それはU-20日本代表でも気にする部分でした。初対面の選手もいましたが、チーム内の仲が良いのと仲が良くないのとでは、絶対に仲が良い方がいい。そういう部分は意識して、積極的に話しに行こうとは思っていたので、そこは自分の良さというか特長かなとは思います。ただ、自然と皆仲良くなっていましたけどね(笑)」

――柏のキャプテンを務めるMF大谷秀和選手から学ぶことも多いと思います。
「タニくん(大谷)は本当に周りが見えています。長年いろんな経験をされていますし、自分が思っていないようなことを教えてくれるので、自分とは違う見方をしているんだなと感じることが多い。自分は試合が始まると試合に入り過ぎてしまって、いろいろと忘れしまうこともありますが、タニくんは冷静で発する言葉も違います。タニくんがいろいろなストレスを取り除いてくれるので、ピッチ上で自分のプレーや自分のことに集中させてもらえていると感じています」

攻撃面の自分の特長は
なくしたくないし忘れたくない


――柏はJ1リーグで上位争いをしていますが、自分が求められているのはどういう部分だと感じていますか。
「守備の部分で無失点に抑えるというのが大前提にありますが、違いを出せるのは攻撃の部分だと思っています。U-20W杯からチームに戻ってきたとき、その期間に出場していた(鎌田)次郎さんとの違いを出したかったし、それは自分の特長でもある攻撃の部分だと思っていました」

――今までプレーしてきたトップ下やボランチに比べると、CBは相手のプレッシャーが少ないので持ち味も発揮しやすいと思います。
「プレッシャーが前からしか来ないので、持ち味は出しやすいですが、自分のイメージとしてはもう一列前でプレーしたい気持ちもあります。一列前と一列後ろでは相手ゴールまでの距離がやっぱり違うし、最終ラインではゴールに直結するパスやプレーを出すのが、より難しいことになりますからね」

――ボールタッチやコントロール、キックには相当自信を持っていますよね。
「攻撃の出発点になれるのが自分の特長だし、そこは今まで前のポジションでプレーしてきたことが、後ろのポジションでも活きていると思う。その部分は自分としても重要視しているし、なくしたくない部分だと思っているので、もっともっと磨きをかけたい。今は縦パスが結構入れられるようになってきましたが、横パスにもこだわっていて、『今、右から攻められる』など意味を込めたパスを送るように意識しています。CBなので守備の部分が当然求められますが、攻撃面の特長は忘れたくないですね」

――自身のストロングポイントを発揮するのに手助けをしてくれるスパイク『DS LIGHT X-FLY 3』の履き心地はいかかでしょうか。
「履きやすいし、蹴りやすいので足に負担が少なくプレーできるのが一番大きいですね。足への負担が少ないので自分のプレーに集中できるし、本当にフィット感があるので、スパイクと足が一体化しているような感じで、とにかく履きやすいです。自分はスパイクが軽すぎると怖さも出てきて、気になることもあるけど、ちょうどいい重さというのも気に入っている部分です。これを履けば高いレベルのパフォーマンスが出せると、信頼し切っています」

――『DS LIGHT X-FLY 3』はカンガルー皮革が使われています。
「カンガルー皮革のスパイクは、足への馴染み方が全然違いますね。結構、試合前にスパイクの先をねじったりして触っていますが、ずっと良い状態でいてくれるし、『噛めば噛むほど』じゃないですけど、『履けば履くほど』馴染んでいく感じです。自分は目立つ派手な色の方が好きで、今回のカラーリングは黄色で“柏カラー”だから、すごく良いと思います」

――U-20W杯が終わり、一つの区切りがついたと思います。
「自分としては、短い期間での目標としてU-20W杯を意識していました。その大会が終わり、足りない部分が多かったと感じているので、ここからどうやって成長していくかは自分次第だと思っています。特に強化してきた守備面でまだまだだと感じたので、残りのシーズンで少しでもレベルアップして、シーズンが終わったときに、U-20W杯のときよりも『自分は成長できた』と感じられるようになっていたい」

――課題をクリアしていくたびに成長が実感できると思いますが、そういう楽しみもありませんか。
「その楽しさもありますが、あとは自分がやってきたことに対して、結果がついてくると、より楽しいと感じられるはずです。サッカーでは結果が大事だし、結果を求められるので、『良いサッカーだったね』だけで終わってしまったら、そこまでだと思う。今回は最終予選(AFC U-19選手権)を突破して、U-20W杯出場という一つの結果を出せた喜びを味わえたけど、その先が見たかった。だから、その思いは東京五輪にぶつけたいと思います」

――一番上の年代として東京五輪を迎えることもあり、そこに懸ける思いは強そうですね。
「U-20W杯もそうでしたが、自分の今後のサッカー人生に絶対に関わってくるし、そこでの結果によってサッカー人生が左右されると思っています。今はU-20W杯で感じた足りない部分を五輪までにどう補うかが大事だし、五輪に出場しても課題は見つかると思いますが、良い結果で課題を感じたいので、結果だけはU-20W杯から絶対に変えたいと思います。あと東京五輪は、より多くの日本の方に見てもらえると思うので、そういう部分での楽しみもあります。それに伴うプレッシャーも絶対にあると思いますが、そのプレッシャーを楽しみながらプレーできるようになっていたいですね」

――自国開催の五輪でキャプテンマークを巻きたい気持ちは?
「さっきは任されたらやりたいと言いましたが、やっぱり巻きたいです(笑)。ただ、自分が巻きたいと言って巻けるものでなはく、まずはメンバーに選ばれる必要があるし、その後は自分の頑張り次第だと思う。監督やスタッフ、チームメイトから信頼を置いてもらえるような、キャプテンを任せてもらえるような、そういう存在になっていけるように頑張ります」

(取材・文 折戸岳彦)