東日本大震災と文学

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2011年3月11日に発生した東日本大震災は、莫大な物的、人的被害をもたらしました。同時に震災前、震災後という言い方もなされるように、日本人の意識のありようを根底からくつがえすことにもなりました。震災と○○といったテーマが頻繁に語られるようにもなりました。

あらためてとらえなおしてみる

そのなかで、東日本大震災と文学について論じた本が「東日本大震災後文学論」(南雲堂)です。実用的ではないといわれる文学ですが、長いタームで震災をとらえるにあたっては必要な装置です。わたしたちが、過去に起こった事件や事故を知るてがかりは文字の記録、そして物語として描かれた文学であるのは言わずもがなです。今後、十年、百年と経過してゆくにあたって、文学は重要な役割を果たしてゆくことでしょう。

何が取り上げられているのか?

本書に取り上げられている作家は多用です。震災に関する小説「恋する原発」を発表した高橋源一郎はもとより、国家に迫る危機を描いた「シン・ゴジラ」、さらに科学と震災をとらえなおす契機として、サイエンスフィクション(SF)も参照されています。震災後に文学は何を語ったのか。そのさまが広くマッピングされていますので、俯瞰的に状況をとらえたい人にとってはおすすめの一冊です。