鹿島に敗れ、10試合続いた柏の無敗記録が途絶えた。両者の間には、わずかながら力量差があった。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ17節]柏2-3鹿島/7月2日(日)/柏
 
 鹿島に痛恨の逆転負けを喫した柏は、7節の神戸戦から続いた無敗記録が途絶えた。
【柏2-3鹿島 PHOTO】激闘の上位対決は逆転で鹿島が柏に勝利!
 
 接戦となった試合で勝敗を分けたのは、個人の力量だった。その差がスコアに表われた。柏側に決して個の力がなかったわけではないが、2-3という僅差のスコアと同様、鹿島の方がわずかに個人の勝負強さが備わっていたように感じた。
 
 序盤から柏はクリスティアーノという強力なブラジル人FWや、スピードのある伊東を中心にパワフルかつスピーディな攻撃を展開。前半、主導権を握っていたのは、むしろ柏の方で、1点リードで折り返した。
 
 しかし後半、昨季王者の鹿島に力の差を見せつけられる。53分に、マークが緩くなった一瞬の隙を突かれ、金崎に強烈なミドルシュートで失点を許すと、その3分後、FKから追加点を献上。その後62分に、クリスティアーノのゴールで一時同点に追いつくも、72分にはペドロ・ジュニオールに独力で突破を許し、決勝点を奪われた。
 
 いずれの失点も一瞬の隙を突かれた、あっという間の出来事だったが、それ以外の場面では決定機をほとんど作らせず試合を運んでいた。個人としての力量差は確かにあったものの、埋めきれないほどの大きな差はなかった印象だ。
 
 それだけに、鹿島などの強豪を相手にした時は、こうした一瞬の隙が命取りになるということを改めて実感させられたはずだ。
 
「そこまでやられた感じはしないけど、だからこそああいう失点した一瞬の場面を止めないといけない。1対1という自信になっていた部分をやり直さないといけなくなってしまった」
 
 CBの中谷進之介のこの言葉からも、一瞬の隙を与えてしまった悔しさが窺える。
 
 右SBでフル出場した小池龍太も、「能力とかではなく判断の部分。極端なことを言えば、時にはファウルをしてでも止めなければいけない。コンマ何秒ですけど、そういうところを詰めていかないといけない」と反省を口にするように、小さな判断の差が、大きな結果の差として表われたゲームだった。
 
 その差は、守備面だけでなく攻撃面でも表われていた。
 鹿島が少ないチャンスをモノにした一方で、柏は決定機を作りながらも決めきれないシーンが目立っていた。前半のシュート数は柏が4本で鹿島が5本とほぼ互角。後半は8本のシュートを放った柏が5本のシュートにとどまった鹿島を上回るチャンスを作っていた。

 それでも後半は、柏は1得点、鹿島は3得点と決定力の差が際立った。
 
「チャンスはあった。でもそれを逃した分、自分たちはなにも得られない試合になった。その点においては、鹿島の勝負強さを感じたし、自分たちが足りないと感じた部分でもある」と話すのはキャプテンの大谷秀和だ。
 
 下平隆宏監督も試合後、「チャンスの回数でも、一方的にやられたかといえばそうでもなくて、2-2にしたあとも決定機になりかけたシーンもあった。自分たちが十分逆転する可能性もあった。ゴールが入ったか入っていないかで勝負は分かれます。そこを勝ち切る力が今日は鹿島さんのほうが上だった」と振り返った。
 
 とはいえ、指揮官は「もっとできたのではないかなと悔いは残りますね。本当にちょっとしたところなんですけど、圧力というか、そういうものに負けた感じがして悔しいですね。ただもっと経験や自信が付けばやっていけるはず。そこはまだまだ伸びていくところだと思う」と、成長に期待している。
 
 もちろん、前節まで10試合負けなしと破竹の勢いで勝点を積み上げ、上位に躍り出たのは事実。選手たちも悲観してはいない。
 
 大谷が「(リーグの)前半戦が終わりましたけど、ここまでに出した結果には自信を持って良い。今日勝てなかったことをしっかり受け止めて、連敗しないこと。(次節のC大阪戦に)勝てばまた順位もひっくり返せる」と語れば、中谷も「11試合負けなかったのはまず凄いこと。続けていければ良かったですけど、切り替えてやっていきたい」と、その視線を次戦に向けている。
 
 柏が今後タイトルレースに生き残るためには――。要所の判断力と集中力。そのわずかな差が、大きなポイントとなりそうだ。
 
 今後の柏の戦いに注目したい。

 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)