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 稲垣吾郎(43)、草なぎ剛(42)、香取慎吾(40)のジャニーズ事務所退社が正式に発表された。中居正広(44)の残留が決定したことで、いち早く“裏切り者”扱いされていた木村拓哉(44)を加え、元SMAPの今後は「1対1対3」の構図が色濃くなってきた。それを受けて、6月26日発売の『週刊ポスト』(小学館)は、中居がジャニーズの幹部候補に躍り出たと報じている。

 現在『中居正広のミになる図書館』(テレビ朝日系)を始め、計5本の地上波レギュラーを務めるなど、ジャニーズタレントの中でもトップクラスの売り上げを誇っているだけに、優遇されるのはいわば当然。元より幹部候補と目されていた木村が、主演ドラマや映画の低迷に加え、衝突事故まで起こして現在は長期休暇中とあって、大きく失速している時期でもある。いち早くジャニーズ残留を表明していた木村にとっては皮肉な話だが、中居の方がジャニーズ内での立場をどんどん強くしているという。

 しかし元々中居も、元SMAPマネージャーであるI氏が設立するとみられる、新事務所への移籍が有力視されていた。昨年よりI氏が、中国などアジア圏へのラインを強化していたのも、元SMAPメンバーの受け入れ態勢を整えるためだと噂されており、稲垣・草なぎ・香取の3人は、ジャニーズ退社となる9月に揃って移籍するとみられている。中居もいずれは追随する可能性が高く、また「1対4」の構図に戻ると見ている関係者がほとんどだ。

「中居の契約更新も1年限定の可能性が高く、ジャニーズ幹部はさすがにありえませんよ。1年かけて、ジャニーズ在籍中にお世話になった人にしっかりと筋を通した上で、その頃には安定しているであろう、新事務所で3人と合流するのではないでしょうか。とはいえ中居も、この1年の間に勢力を伸ばし、木村よりは上の地位にのし上がろうと考えている。それも結局は3人のためにみせる、中居らしい“男気”だということなのでしょう」(芸能関係者)

 退社が前提とあれば、現在所属の事務所に未練なんてなくなりそうなものだが、それでも事務所内での影響力を高めようと考えているのには、何か理由があるのだろうか。

■残留を決めた中居が見据える思惑とは?

 これまでジャニーズ事務所を退社していったタレント達の中でも、事務所在籍当時ほどの活躍を、退社後にできたタレントはおらず、芸能界でもひっそりと仕事をしているのが実情だ。退社した理由が自らの行いの悪さなのであれば、ジャニーズからの圧力により、テレビ界から追放されることもある。木村を除く元SMAPメンバーも、もとはといえばI氏と独立を画策したことから解散騒動を招いた上、その飯島氏の新事務所に移籍するとなれば、ジャニーズ事務所内部の中でも快く思っていない人間はいるだろう。特に、現在のジャニーズにおける一番の権力者である、副社長の藤島ジュリー景子氏(50)は内心面白くないと思っており、今後の圧力も辞さないとの噂もある。

 現在3人がレギュラー出演している番組も、打ち切りの噂が絶えないだけに、退社後のレギュラーの仕事は流動的だ。そこで中居が一肌脱ぐ気でいるのだという。

「中居がジャニーズに残ったのは、いわば独立する3人をジャニーズから守るためだといわれています。しかしそれだけではなく、今後個々の活動や共演をしやすくするために、ジャニーズとI氏の仲を自らが取り持って、業務提携を進言するとまで囁かれているのです。今中居が、事務所内での影響力を最大限まで高めようとしているのも、元メンバーのために、ジャニーズ幹部に対してものを言える立場になろうとしているからなのでしょう」(芸能記者)

 中居の男気は、ファンの想像をはるかに超えていたようだ。この思惑が成功すれば、数年後にまた、メンバーが共演する日が訪れるかもしれない。

文・海保真一(かいほ・しんいち)※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。