『真っ白なものは汚したくなる』(SMR)

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 いま最も勢いがあるアイドルグループといえば、秋元康氏プロデュースの「坂道シリーズ」第2弾となる欅坂46であろう。今年4月にリリースされた4枚目のシングル「不協和音」(SMR)は約74万枚を売り上げ、2017年上半期のオリコンシングルランキングで4位に食い込んでいる。

「単純に売上枚数でいうと、AKB48や乃木坂46には負けますが、人気の上昇度合いはハンパない。ブレーク速度は明らかにAKB48グループや乃木坂46を上回っています」(アイドル雑誌関係者)

 もちろん、AKB48や乃木坂46の人気が下地にあった上で欅坂46はデビューしているので、一概に比較できるものではないが、乃木坂46の4枚目のシングル「制服のマネキン」(同)の初週推定売上枚数は23万枚程度。欅坂46が、いかに急ピッチでスターダムの階段を駆け上がっているかがうかがえるだろう。

「AKB48の若手が育っていない現状では、AKB48に行っていたアイドルファンの多くが坂道グループに移行している。さらに、平手友梨奈というアイコンをわかりやすくセンターに配置することで、似たようなメンバーがたくさんいるAKB48や乃木坂46とは違うイメージを植え付けることができた。その結果、ライトな音楽ファンたちも『なんだ、このアイドルは?』と興味を持ったのだと思います」(同)

 欅坂46のイベントなどに参加しているファン層は、一般的なアイドルファン層とは毛色が違うようだ。

「いわゆるオタクと呼ばれるような積極的に情報をキャッチしようとする人々は少なく、メディアやネットにある情報をなんとなく受け取っているライトな層が圧倒的に多い。たとえば、映画『シン・ゴジラ』や『君の名は。』がはやれば、それを絶賛するし、周囲の友人たちがスマホゲームにハマっていれば、それを楽しむという人々。いわば、普通の人々です。そういう人たちを動かしているというのは、本当にすごいことだと思いますよ」(同)

 そんな欅坂46だが、これまでの秋元氏プロデュースグループとは違う方向性のプロモーションを展開している。

「アイドル誌だけでなく、音楽専門誌への露出を重要視していますね。特に、ロッキング・オン系。『ロッキング・オン・ジャパン』4月号では平手のソロインタビューも掲載されましたし、今年の夏のROCK IN JAPANにも欅坂46は出演します」(音楽誌ライター)

 欅坂46がロック方面に進出しようとしているのには、理由があるという。

「秋元氏は雑誌メディアを重要視していて、編集者との関係性をしっかり築くことで、継続してその雑誌に登場させるという戦略を組んでいます。現状、AKB48と乃木坂46の貯金があるので、アイドル雑誌についてはわざわざ売り込まなくても、欅坂46は簡単に登場できる。だからこそ、新規顧客を求めて、音楽専門誌に売り込んでいるということです。かつてジャニーズ事務所は嵐を売り出す際に、ロッキング・オン系の雑誌をうまく活用して、アイドルファン以外の層の開拓に成功しているので、そのあたりをモデルにしているのでしょう」(同)

 そんな欅坂46だが、冷ややかな目線を向ける業界関係者も少なくない。

「昨今のアイドルシーンは、楽曲やパフォーマンスのクオリティーが高くないと認められないという流れがあるんですが、秋元氏プロデュースのアイドルについては、古くからクオリティーについてはまったく評価されていません。秋元氏としても、そこに対するコンプレックスがとにかく強い。だから、欅坂46では楽曲やライブパフォーマンスで認められたいという気持ちがあり、ロック方面にアピールしているということのようです。ただ、実際にパフォーマンスがすごいかというとまったくそんなこともなく、楽曲もワンパターン。正直、音楽関係者は苦笑いですね」(同)

 欅坂46がアーティストとして飛躍するのか、それともこれまでの秋元氏プロデュースアイドルと同じような存在のままでいるのか、この夏のロックフェスがターニングポイントとなるかもしれない。