安倍首相(写真:日刊現代/アフロ)

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 2日に投開票された東京都議会議員選挙は、自民党が過去最低の38議席を大きく下回る惨敗となった。

 私は、今回の選挙は投票率が大きなカギだと考えていた。東京は無党派層が50%以上いる地域で、いいかえれば無党派層は「反自民」。過去2回の都議選が引き金となり、政権交代を実現した原動力といわれた理由もそこにある。投票率が前回(43.50%)大きく上回る51.28%となったことが、自民党惨敗、そして小池百合子都知事率いる都民ファーストの会(以下、都民フ)圧勝の要因のひとつといっていいだろう。

 しかし、私の読みは甘かった。1人区でことごとく都民フが勝ち、2人区でも自民候補を退けるには、10ポイントの上積みが必要で、7〜8ポイント増でこれほどまで差が出るとは予想していなかった。2日23時過ぎ、ある自民党関係者はこう“謎解き”をしてくれた。

「もともと自民党候補は、公明票の下支えがあってこそ、なんとか議席を確保してこられたが、今回は本当に1票たりとも支援がなかった。それだけではない。この惨敗の本当の原因は、自民票の離反だ。無党派層が自民にお灸を据えるなどという、なまやさしい話じゃない。自民党支援者からの『お前ら、いい加減にしろ』という怒りの抗議の声だ」

 有権者の半分が投票を放棄した。にもかかわらず、これほどの差が出たのは、自民党支持層の怒りの声なのだ。もちろん、無党派層も大半は都民フに投票した。それが大きな波となって、都民フの大躍進につながったのだ。

 メディアでは、早くも国政にどのような影響があるのかを読み解こうとしている。都議選終盤の6月下旬、別の自民党関係者はこう語っていた。

「都議選で惨敗すると、責任論が必ず出てくる。もはや安倍政権は風前の灯といっていい。安倍首相の性格を考えれば、安倍降ろしが始まる前に早いタイミングで内閣総辞職もあり得る。そうなれば、次は選挙管理内閣となり、年末か年明けの解散総選挙も予想されるだろう。支持率回復を待っていても上がるとは到底思えず、来年後半になれば追い込まれ解散となるのは一目瞭然だからだ」

 安倍一強体制は、党内からムードが変わってきたといっていい。かつて、政権交代の引き金になったといわれる都議選が、今また大きく国政に影響を及ぼす結果を出したといえるだろう。しばらく国政から目が離せなくなった。
(文=朝霞唯夫/ジャーナリスト)