Appleは現地時間2017年7月1日より、インドで販売されているiPhone全モデルの値下げを行いました。今回の値下げは、同日インドで物品・サービス税、GSTの導入が確認されたためで、iPhone以外にMacやApple Watchも値引きされています。

州間の輸送を円滑にするGST

インドでは州をまたいで物資を輸送する際、収税官による書類の審査結果に応じた額を支払う必要がありました。しかし、問題ない書類でも実際には収税官による不法な賄賂の要求などでスムーズな輸送が妨げられていました。この因習を打破する目的でGSTが導入され、日本の消費税のように消費者の購入に一定の税が課せられます。
 
GSTは現地時間で2週間後を目途に導入される予定ですが、Appleは既にインドを対象にAmazon等でiPhoneシリーズの値下げを行っており、今回の値引きでさらなる市場の拡大を目指しています。

競争の激しいインドのスマートフォン市場


 
インドでは中国企業の参入などでスマートフォン市場の競争が激化しており、Appleは苦戦を強いられています。同時に中国でも失速しているAppleにとって、インド市場での成功は今後の世界戦略にも大きく影響します。
 
たとえば、iPhone SEの128GBバージョンは6.2%も値引きされており、インドの新規ユーザーにとってiPhoneシリーズは十分魅力的な製品になり、AppleはGSTの導入を真っ先に活用した企業と言えます。

マーケット拡大の下地作りが必要

現地時間6月25日にインドのモディ首相が最高経営責任者(CEO)ティム・クック氏と会談しており、GSTの導入も相まって2017年はAppleのインド市場開拓に最適な条件が整っています。
 
しかし、実際に施行される直前までインド政府は制度の微調整を行い、今回の急な税制の変化に対応しきれない企業に配慮して段階的にGSTを取り入れることが考えられます。
 
iPhone登場10周年を記念する今年は秋にiOS11の公開を控えており、iPhone8への期待も高まっています。今回の値下げを起点に、GST制度やインド内のスマートフォン市場の動向に柔軟に対応し、iPhoneシェアの拡大に必要な準備を着実に進める必要があります。
 
 
Source:The Economic Times
(Nakadomari)