2018年には新型EV「モデル3」の一般向け納車をスタートして普及価格帯への攻勢をかけるとみられているEVメーカー「テスラ」が、これまでのアメリカ国内工場のほかに新たに中国に工場を建設し、主に現地向け車両の生産を行う準備を進めていることが明らかになっています。すでにイーロン・マスクCEOが現地入りして地方政府との交渉を実施しているとの情報も報じられています。

Tesla Moves a Step Closer to Building Electric Cars in China - The New York Times

https://www.nytimes.com/reuters/2017/06/22/business/22reuters-tesla-china.html

Tesla confirms it’s in talks to build a factory in China - The Verge

https://www.theverge.com/2017/6/22/15855060/tesla-china-factory-talks-production-eletric-cars

Tesla confirms working with Shanghai Government to establish a manufacturing facility in the region | Electrek

https://electrek.co/2017/06/22/tesla-factory-shanghai-china/

日本でも徐々に姿を見かけることが増えているテスラのEV「モデルS」「や「モデルX」は中国でも売り上げを伸ばしています。中国市場への参入当初は厳しいスタートを切ったテスラでしたが、2016年には売上高を前年比で3倍にして10億ドル(約1100億円)に達しており、いまや本国アメリカに次ぐ大きなマーケットとして存在感を示しています。

しかし、中国に自動車を持ち込む際には25%という関税がかけられており、これが自動車の販売価格を押し上げています。そこでテスラは中国国内でEVを生産することで関税の影響を排除し、さらに競争力を上げるための取り組みを進めています。2016年6月末、テスラは上海の地方政府と自動車構造建設に向けた予備的協議に入っていることを明らかにしましています。



By Dave Pinter

また、EVを生産するためには、車両に搭載するためのリチウムイオンバッテリーを大量に用意する必要が生じます。そこから、テスラは自動車工場と併せて巨大バッテリー工場「Gigafactory」をも中国国内に建設するともみられています。リチウムイオンバッテリーを生産するためにはレアメタルが必要となりますが、中国は世界でも有数のレアメタル生産国であることも、この見方を補強するものといえそう。

2020年までに稼働予定のテスラの超巨大バッテリー工場「ギガファクトリー」のいま - GIGAZINE



テスラの広報部はIT関連メディア「Electrek」の取材に対し、「テスラは上海地方政府とともに当地に生産施設を設立して中国市場に貢献するための取り組みを進めています。以前から表明しているとおり、2017年末には中国における生産のより明確なプランを策定したいと考えています。テスラは中国市場に深くコミットしており、また、世界中のマーケットに近い場所で自動車を生産できる可能性の評価を続けています。当社の自動車の生産の大部分はアメリカ国内に留める方針ですが、世界各地のマーケットに適切な価格で製品を届けるために現地生産することも必要と考えています」と返答しています。

中国では近年、EVの普及率が向上しています。これは、速いペースで普及が進む自動車による大気汚染やCO2排出を軽減するために、国がEV普及を後押しする施策を進めてきたことも理由の一つとみられています。しかし、この施策をめぐっては数々の問題も浮上しているほか、政府が補助金を削減したこともあり、順風満帆とはいえない状況とも。そんな中でテスラの取り組みがどのような効果につながるのか、関心は集まりそうです。

【ビジネス解読】“EV至上主義”の中国、賞賛されないこれだけの理由(1/3ページ) - 産経ニュース

中国に現地法人を立ち上げることになると、現地の企業との合弁企業を立ち上げるしか道がないのが現状。ここでテスラは自動車関連企業ではないパートナーを選定するとうわさされています。現時点で名前が挙がっているのは電気機器製造グループの上海電気と上海地区で工業団地を開発する上海臨港控股の2社ですが、後者はうわさを否定しているとのこと。また、原則として現地法人との合弁しか方法がない現地法人の立ち上げですが、中国政府がこの基準を緩和するとの見方もあがっているとのことです。