「物品サービス税(GST)」導入初日、インド東部コルカタの家電販売店で客を待つ店員(2017年7月1日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】インドで1日、独立以来最大の税制改革とされる「物品サービス税(GST)」が導入された。政府は、インド全土を対象とした新税制度はインド経済の強化と汚職の根絶につながるものだとしているが、抜本的な税制改革に不安を感じている企業や事業者も少なくない。

 GSTによってインドの中央政府と29の州が個別に徴収していた十数種類の税金が一本化される。インドを人口13億、経済規模2兆ドル(約225兆円)の単一市場にすることを目指している。

 GSTは「簡素で優れた税制度」だと言うナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は、新税の開始に当たって議会で1日午前0時(日本時間同3時30分)に始まった記念式典で「GSTによって、1つのインド、偉大なインドという夢が現実のものになる」と語った。

 しかし、北部ジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州は新税を拒否。事業者の間ではGSTに抗議する声も上がっており、最大野党の国民会議派(Congress Party)はGST開始の記念式典をボイコットした。

 GSTは当初、単一税率を導入する計画だったが結局、5%から28%まで4段階の税率が適用されることとなり、事業者は懸念を募らせている。GSTの規則を説明する手引書は200ページを超え、最終調整は6月30日の夜遅くまで続けられた。

■「しばらくはインド経済に衝撃」──専門家ら

 GST導入後も地方政府が課税することは認められている。南部のタミルナド(Tamil Nadu)州は1日、映画のチケットに28%のGSTに加え、州独自に30%の税金を課すと発表。映画館オーナーの団体は、観客が減り映画の違法ダウンロードが増えるとして、3日から30%課税が撤回されるまでの間、州内の全映画館969館の営業を停止するストライキを行うと発表した。

 新税導入初日の1日午後、首都ニューデリー(New Delhi)の中心部にある照明器具販売店「ケラティ・ラル・サンズ(Kherati Lall Sons)」に客の姿は一人もなかった。AFPの取材に店主は「税率が12.5%から28%に上がった。うちの売り上げには大きな打撃だよ」と不満をもらした。

 一方で運送業には駆け込み需要があった。匿名を条件に取材に応じたムンバイ(Mumbai)の物流会社「リビゴ(Rivigo)」の幹部社員によると、GSTが始まる1日午前0時より前に確実に荷物を届けてくれという依頼が殺到したという。

 繊維業をはじめ多くの業界が、課税対象が不明確だとしてGST導入を前に抗議のストを行った。

 2006年に初めて構想が発表されたGSTは、当初の予定よりかなり遅れて導入された。多くの経済専門家はGSTを評価しているが、事業者が適応するまでの間は、新税制はインド経済に衝撃を与えるだろうと警告している。
【翻訳編集】AFPBB News