ドリカムの新曲「あなたと同じ空の下」は「大阪LOVER」の続編曲! 遠距離恋愛からの“10年”をどう表現?

写真拡大

 DREAMS COME TRUEが、7月1日に放送された日本テレビ系大型音楽特番『THE MUSIC DAY 願いが叶う夏』で、新曲「あなたと同(おんな)じ空の下」をテレビ初披露した。

 6月26日に配信スタートとなったこの曲は、ドリカムがユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)「ドリーム・プロジェクト 2017」のテーマソングとして書き下ろしたナンバー。このリリースにあわせて6月25日にはUSJのパーク内でスペシャルライブ『LIVE MONSTER LIVE 2017 DREAMS COME TRUE SPECIAL LIVE at UNIVERSAL STUDIOS JAPAN』が開催され、番組ではそのライブの模様をオンエア。ミニオンズなど人気キャラクターと共に「大阪LOVER」と「あなたと同じ空の下」の2曲を披露した。

 新曲「あなたと同じ空の下」は2007年にリリースされた「大阪LOVER」のアンサーソングと位置づけられるナンバーでもある。「大阪LOVER」はオリコン初週7位と他の大ヒット曲の数々に比べれば初動セールスは振るわなかったものの、その後じわじわと支持を拡大し、2015年に開催された『史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND』のリクエストランキングでは3位となるなど、いまやファン以外にも広く愛される代表曲。「あなたと同じ空の下」はその歌の主人公の「10年後の物語」を描いた続編のような内容になっている。

 というわけで、この2曲の結びつきからは、ドリカムと大阪の街の10年越しの縁、そしてピンポイントな言葉のディティールを絶妙に使って共感を誘う吉田美和の歌詞の才能を感じられる。この記事ではそのことについて読み解いていきたい。

<晴れた朝 毎日の色々 今日は置いてきた スウェットじゃないあなたと ユニバに来たし!>

 「あなたと同じ空の下」の歌い出しはこんな風に始まる。ここの言葉選びがまず秀逸だ。「スウェット」という言葉は「大阪LOVER」の<新大阪駅まで むかえに来てくれたあなたを見たら いつもはいてるスウェット 今日も家へ直行か…>を踏まえたものだろう。遠距離恋愛真っ只中だった「大阪LOVER」の主人公は、曲中の「あなた」と結婚し、10年経って大阪で夫婦として共に暮らしている。それがこの「あなたと同じ空の下」のストーリー。そして「大阪LOVER」時点の「あなた」は、恋人を駅まで迎えにくるような時でも日常着のスウェットをはいてくるようなキャラクターだ。そこを踏まえているから「スウェットじゃないあなたと」というフレーズだけで、愛する夫との久々のデートというシチュエーションと、それにワクワクする主人公の心情がリアルに伝わってくる。

 <ユニバに来たし!>という一節も、タイアップソングならではの強みを活かしたものだろう。「大阪LOVER」はUSJのアトラクション「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」のために書き下ろされた曲。「あなたと同じ空の下」もUSJとのタイアップであるわけで、パークを訪れてこの曲を耳にしたカップルにとって自分自身が曲の主人公になれるような効果が、たった6文字で施されているわけである。符割りの関係もあるだろうが「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」でも「USJ」でもなく「ユニバ」なのも大阪人の言語感覚にピッタリだ。

 曲の中盤には<わたしを乗せた 大きな浮き輪押して 屋外のプールで あなたが「自家製スペファンや!!」て!>というフレーズもある。「スペファン」というのは、USJの「スペース・ファンタジー・ザ・ライド」の通称。このライドとドリカムがコラボしたことを踏まえているわけなのだが、巧いのが「自家製スペファン」というフレーズ。“宇宙船”に搭乗するという「スペファン」と、プールでの描写、「自家製」という言葉を組み合わせることで、実際に「スペース・ファンタジー・ザ・ライド」に乗ったことのない人も、なんとなくのイメージが喚起され共感できる仕組みになっている。

 「家族」というのも、2曲を対比させる重要なキーワードだ。

 「大阪LOVER」では<覚悟はもうしてるって 大阪のおばちゃんと呼ばれたいんよ 家族と離れてたって あなたとここで生きていきたいんよ>と歌われる。それに対して「あなたと同じ空の下」では<あなたの家族も もうわたしの家族になってん!>と歌われる。遠距離恋愛から結婚の10年を経て、曲の主人公にとっての家族は「離れるもの」から「増えたもの」と変わったわけだ。

 ちなみに、「大阪LOVER」と「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」のコラボは2007年のオープン時から2011年末まで続いていた(6月25日から期間限定で復活中)。数々のCMやドラマや映画などのタイアップソングを手掛けてきたドリカムだが、数年単位で続くライドとのタイアップは、それとはまた違った波及力を持って大阪の人たちに、そしてUSJを訪れたいろんな地方の沢山の人たちに広まっていったのではないだろうか。

 だからこそ、「大阪LOVER」と「あなたと同じ空の下」は「10年越しで人生に寄り添う曲」となったのではないかと思う。(文=柴 那典)