試合後にうな垂れる神戸の選手たち。川崎戦は厳しい結果となった。写真:徳原隆元

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[J117節]川崎5-0神戸/7月1日/等々力
 
 まさに完敗だった。17節、川崎と対戦した神戸は相手のパスワークに翻弄され続け、大敗を喫した。
 
「今日の敗戦の説明はすごくシンプルです。我々は何もプレーできなかった。終始、相手にペースを握られ試合を動かすことができなかった。技術的にも完全に相手に上回られた」
 
 試合後、百戦錬磨のネルシーニョ監督も敗戦の弁を絞り出すのが精一杯だった。
 
「相手は中盤より前のモビリティとパススピードが速いので、ニウトンより動きの速い選手を選んだ」(ネルシーニョ監督)と、川崎戦では三原雅俊と松下佳貴をボランチで起用した。4-4-2のシステムを組んだなか、2トップの一角である小林成豪と松下が、相手のパスの供給元である2ボランチ、大島僚太とエドゥアルド・ネットに猛プレスをかけ、三原がトップ下の中村憲剛に目を光らせる。最終ラインと中盤の間でボールを奪おうとの狙いはハッキリしていた。
 
 だがしかし、「間違った守備をしてしまった」と指揮官が振り返ったように、川崎の巧みなパスワークにマークを外されると対応は後手を踏み、早い時間から混乱をきたした。それは川崎の中村に「向こうのディフェンスはバラバラだった。声の掛け合いでも『行けよ』『下がれよ』などが合っていなかった」と指摘されるほどだった。
 
 チームの生え抜きである小川慶治朗もこう語る。
 
「付きどころがハッキリしなかった。前半の途中から少し立て直したが……。臨機応変さが足りず、相手のポジションチェンジに対応できなかった。ミーティングで決められた動きしかできなかった。もっと柔軟にやるべきで、前から行くのかブロックを敷くのか徹底しなくてはいけなかった。
 
 神戸は先に失点したら早くボールを奪いに行くためにバラバラになってしまう。2失点目はCKからのカウンタ―だったが、前に行きすぎてしまった。やるべきことをやらないと厳しい。神戸は我慢ができないチームなので、そういう術を身に付けないといけない」
 
 川崎戦の敗戦で7勝2分8敗と負け越して、リーグの前半戦を終えた。ネルシーニョ監督は「もっとチームに期待していたし、上の順位で折り返したかった。ただ、初戦から主力を欠いて戦うことが多く、現在は6人のレギュラークラスが離れている状況。2、3人が抜けると影響が出るものだが、そこは難しい」と、ここまでの戦いを総括する。
 
 守備の要であるCBの岩波拓也、左SBの橋本和、ボランチの藤田直之、高橋秀人、エースのレアンドロを負傷で欠き、戦列復帰したばかりの高橋峻希は川崎戦で早々に負傷交代するなど台所事情は苦しい。
 
「シーズンの入りは良かった。自信を持ってプレーできた。でも今日を見てもらえば分かるように一回崩れてしまうと歯止めをかけられない。立て直せずにズルズル行ってしまうのがこのチームの悪いところ。これじゃタイトルは取れない。切り替えが大事になる」
 
 小川は明確にチームの課題を口にし、加入が直前に迫ったルーカス・ポドルスキに関しても独自の見解を述べてくれた。
 
「ひとりの力で変わることはこのチームはない。やはり組織力が大事。チームとして攻守両方でやらないと、ポドルスキという凄い選手が来ても勝てるとは思えない」
 
 後半戦はビッグスターの加入で注目を浴びそうだが、チームには問題が山積する。それを地道に修正しなければ、例年通り話題先行のチームで終わってしまう可能性が高い。昨季の第2ステージでは2位に入ったポテンシャルはあるだけに、一致団結した巻き返しに期待したい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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