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text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)

 

誰のための「特別仕様車」なのか?

ヒュンダイの世界戦略SUVであるコナに、アイアンマン・エディションという仕様が制作された。韓国で開催された国際発表会の会場に、それは置かれていた。

デザイン改修の提案といった展示車の一群の中でもひときわ目を引く、マットグレーのペイントと大型化したバンパー、そしてアイアンマンを図案化したオーナメントが中央にあしらわれたホイールでそれと知れた。

あぁ。

このセンターキャップと凝りすぎたホイールは、好き嫌いがハッキリ分かれそうだ。

 

はたして、コンパクトSUVの顧客層に、アメコミのキャラクター好きで、そのイメージを反映したクルマが欲しいというユーザーがどれほどいるのかはわからない。ただし、この手のコラボモデルに期待する以上の雰囲気が、このクルマにはたしかにあった。

とにかく、日産ローグに設定されたスターウォーズ仕様よりはだいぶマシだ。英国や日本ではXトレイルとして販売されるこのクルマだが、その北米仕様の車名に、「ローグ・ワン」という映画のタイトルとの共通項があるという安易な理由で成立した特別仕様車だ。

スターウォーズ仕様のローグは、ドリンクホルダーに憎み合う敵味方のエンブレムが仲良く並ぶ。

 

その成立の経緯と同じく、内容にもたいした工夫はないクルマだ。サイドシルやカップホルダーに、劇中に登場する軍隊のエンブレムがあしらわれる程度に変更点は留まるのだから。

そうそう、キャラクターを模したヘルメットも付いてくるのを忘れていた。どうでもいいけれど。

コラボのテーマは、フィクションの世界ばかりではない。レースドライバーの名前を引っ張り出すのも、多くのメーカーが好む手法だ。

ユニークなアプローチも ただ気がかりなことも

レーサーの名前を用いたモデルとしては、インフィニティFXのベッテル仕様や、シトロエンC2のローブ仕様などをご記憶だろう。

それらとは異なるアプローチの企画を発信するのはベントレーだ。

ベンテイガにはフライフィッシングに続き、ファルコンリーと銘打ったマリナー仕様が設定された。

鷹狩り仕様で、オーナーが愛する猛禽類とともに狩り場へ向かい、そこで狩りを楽しむことに特化した装備内容となっている。

鷹のためにファーストクラスのチケットを買う中東の王侯貴族が、喜んでまとめ買いしそうなクルマだ。

ここで質問。

もっといいアイデアをお持ちの方はいないだろうか?

ショーのにぎやかしならともかく、商品化されるならどんな特別仕様車が欲しいだろうか。その理由も合わせて、教えていただけるとありがたい。

アイアンマンやスターウォーズに興味はないが、他の作品とのコラボなら購買意欲を刺激されるだろうか。それとも、何らかのスポーツやホビーに特化したクルマだろうか。

そういえば、モデル末期に押しこまれるように登場する「ブラック・エディション」なども、やたらと目につく。

各メーカーの「企画力」に、冷静に対処すべき時が来ている。「限定車」に頼りきりのメーカーが少なからず存在していることが気がかりだ。