なぜか炎上

松本人志ホリ大竹まことと、藤井聡太四段関連で3人の芸人が炎上した。今回3人はそれぞれ良かれと思っての言動や表現だったのだが、受け手にその真意が伝わらず、悪い印象を持たれてしまってこのような状況に陥ってしまった。これは、彼らの芸風と、藤井四段が現在置かれている状況との相性の悪さから起こった炎上なのかもしれない。

松本人志の「童貞発言」

6月11日放送の情報番組『ワイドナショー』で松本人志が、「松本はまたふざけてってと言うかもしれないんですけど」と前置きしたうえで「彼が童貞じゃなくなったときにどうなるんだろうなっていう」と発言し、炎上してしまった。

これは「男が必ず通る道である、女性に心を奪われたときに将棋に集中できるのか」ということを心配した言葉だ。「まだ若いので、悪い女には引っかからないでほしい」という願いが込めらているとも取れる。現に、女性問題で本業が上手く行かなくなってしまったアスリートや天才たちは存在する。これらを知る彼の優しさから生まれた言葉だったのは間違いないだろう。ただ、インパクトのある言葉選びをするいつもの手法で表現した結果、誤解を招いてしまった。事実、テレビ越しの14歳の少年に向けて言って良い言葉ではない。

ホリのモノマネ

6月21日、ホリはTwitterに「藤井四段28連勝!30年ぶりの偉業!」というつぶやきとともに、3枚の顔マネ写真をアップした。これに、藤井四段のファンからは「タレントでもないのにモノマネしてかわいそう」「中学生だからイジメに繋がることもある」と批判の声が集まった。

後にホリはこのツイートを削除し、「自分の姪っ子と同じ14歳の親の気持ちになって時期や年齢お立場を考えるとおっしゃる通りかと思いました」と謝罪している。しかし、モノマネ芸人として、いつものように有名人のモノマネを披露しただけに過ぎない。

「叩く方もおかしいし、消しちゃうホリもおかしい」「モノマネ芸人がモノマネしただけ」と、さらに議論は発展してしまった。

大竹まことの「誰かシメてやれ」

6月27日、大竹まことは情報番組『バラいろダンディ』で「これ以上勝たせてどうすんの? 77歳のじいさんが、14歳のガキに『どうもすいません』はあり得ないだろ。ルールを変えなきゃダメ。ガムテープで出来たみたいな財布から、きつねうどんみたいな金払うような奴だよ。革の財布を持てない奴が、ネクタイちゃんと締めろっていうんだよ。そういう奴が77歳のじいさんをボコボコじゃねえか。誰かシメてやれ」と発言し、炎上した。

確かに文字で見ると過激発言に見えるが、実際の放送では100%冗談で言っているだけだった。実際にこの発言で共演者たちは笑い、スタジオは大いに盛り上がった。そして勘違いされがちだが、どちらかというとここで本当に罵られているのは、藤井四段ではなく、14歳に負けた77歳の加藤一二三や負けた他の棋士たちだ。大人たちは、マジックテープの財布を使っているような年頃の子供に負けている場合じゃないだろう、と訴えているのだ。さらに、あまり触れられてないが同番組で大竹は「14歳で10時間の集中力」と、藤井四段を絶賛している。

のちに大竹まことはこの炎上を受け、28日放送の文化放送『大竹まこと ゴールデンラジオ!』に出演し、「俺の言葉は文字起こしをして、全然違うものになる。こっちは芸人だから笑ってほしくて言ってるだけだから。本人を誹謗中傷するつもりは何もない」と説明した。悪意があったのは大竹のほうではなく、炎上に導いたマスコミのほうではないだろうか。

そもそも視聴者は、藤井四段に笑いを求めていない

この3人に共通して言えるのは、藤井四段を貶めようとなどしていないということ。もうひとつは、それぞれの芸人としてスタイルで発言しただけということだ。誰も悪気など持っていない。

ただし。世の中の多くの人は、藤井四段で笑いを生んでほしいなんて思っていない。14歳と若く才能あふれる藤井四段は、みんなが待ち望んだ国民的ヒーローで、存在そのものが明るいニュースだ。そこにムリヤリ笑いを足さなくても、視聴者としては十分なのだ。そこを見誤ってしまったところが、今回3人の落ち度と言えるだろう。

かと言って、無難に松本が「女性問題には気をつけて将棋に集中してほしい」とコメントしたり、大竹が「若い者に負けずに、先輩方もがんばってほしい」と発言しても、それはそれで味気ないように感じてしまうのも事実。こういう明るい話題のときって、芸人って難しいですね。

[HEW]